内容説明
昭和初期、群馬県太田市で教員で歌人の大槻三好と松枝が出会った。教員生活、結婚、妊娠、出産、松枝の死、そして遺された子。みずみずしい口語短歌と惣田紗希のイラストで描く、二人の短くかけがいのない日々。
目次
短歌―大槻三好・松枝
所収一覧
大槻三好と松枝のこと
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
唯
2
夫婦で詩を贈り合うなんて、なんて粋なのだろう。 土着性や生活感と、互いへの不平不満といった生々しさの感じられる詠の数々は、実に素直で実直だ。 出逢いから始まり、一つ一つの出来事や人生の節目、それに伴う心の移り変わりを、率直に見つめ、受け止め、味わい、噛み締め、咀嚼し、きちんとそれらを通過している。 にんまりしながら読み進めるが、途中から右ページが全て真っ白なことには涙が滲んでしまう。 松に松枝を重ねる辺りも洒脱で素敵。2020/03/17
びす子ちゃん
1
まためちゃくちゃいい本を読んでしまった…。歌人夫妻の短く美しい日々を歌を通して感じる。少女からの成長がモダンな言葉で綴られる松枝の歌、自由でのびやかで、しかし悲しみの色を帯びてゆく三好の歌。二人で会った時間がそれぞれの言葉で歌われたりするのもいい。瞬間の美、時間は一度きり。惣田紗希さんの絵も素晴らしい。2020/06/20
白水阿弥陀丼
0
買って即読みきってしまい、かえって勿体ないことをした気がする。歌人夫婦の出会いから死別までを2人の作品と惣田さんのイラストで辿る一冊。松枝の熱情が印象的だが、2人の想いが重なるページは単なる歌集では味わえない美しい瞬間だ。口語なので、よりダイレクトに心情が伝わってきて切ない。そして、イラストも秀逸。少ない線は少ない語数と相性がよいのか、シンプルな表現で2人の作品のイメージを優しく膨らませてくれる。本当は2人の季節をゆっくりと辿るべきだったと後悔しているが、風がページをさらうようにするすると読んでしまった。2022/05/29
きくち
0
紹介されている歌人のことを知らなかったが、のびやかにダイレクトに歌が響いてきて、短い言葉のなかに表現の豊かさを感じた。タイトルと挿絵もすごくいい。椿が印象に残る。2021/07/18
kana0202
0
結構イイ2020/12/14
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