内容説明
2016年8月、衆議院総選挙直前―。腹部を切り裂かれ、子宮を奪われた惨殺死体が発見された。被害者は分子生物学研究所に勤務する女性科学者。その左手には謎の刺青があった。警察庁の上條理事官と警視庁の宮島警部は異例の合同捜査に乗り出す。すると、被害者が“男性に子どもを妊娠させる技術”の研究を行なっていたことが判明する。連続殺人、赤い刺青、猟人猿ボノボ…浮かび上がる秘密結社の存在。ヒューマニズムを根底から揺るがす“日本再生計画”とは!?壮大でスキャンダラス、全く新しい警察ミステリー!!
著者等紹介
中村啓[ナカムラヒラク]
1973年11月11日生まれ。東京都出身。東京理科大学理工学部中退。学生時代に漫画家を志望し、「週刊ヤングジャンプ」などで奨励賞を計7回受賞。2000年以降、フリーライターとして活動後、2008年に『霊眼』で、宝島社主催の第7回『このミステリーがすごい!』大賞の優秀賞及びWEB読者賞(読者投票1位)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ren5000
31
始めに惨殺死体が見つかって普通の刑事小説かと思ったら、話がどんどん大きくなってついていくのにやっとでした。でもなかなか興味深く読み終わったら面白かったって感じだけどちょっといろいろ詰め込みすぎかな?2018/03/07
あっちゃん
20
腹を裂かれ子宮が抜かれた惨殺死体が発見された!出だしは上々、と思いきや、話が社会的、政治的になり過ぎて、ついていけなかった感が(笑)男性が妊娠とか、なかなか面白かったけどね( ̄▽ ̄)2020/02/22
にこ
15
どんどんとお話が展開して読んでる間は面白かったのですが、読み終えていろいろ疑問に思えてきました。まずはすごく気を使って秘密にしているのに 手のひらなんていうわかりやすいところに刺青を入れるだろうか?う~ん、科学か神か。恐ろしい世界でした。2014/06/27
こたろう
14
おどろおどろしい装丁に呼ばれて手に取った。日本の中枢で見つかった子宮が取り出された惨殺死体。快楽殺人かはたまたテロか…と初っ端から掴まれた。政治的思想と信仰の違いによる対立、魔法のような科学の力を手にした人々の思惑、秘密結社、差し迫る衆院選、保守と革新。積み上がる薀蓄と張り巡らされる伏線に、脳みそフル回転で必死に読んだけれど、最後の最後でう〜ん…そういうオチ?豪勢に拡げた風呂敷を畳み切れなかったのか、私の読解力が足りなかったのか。でも問題提起としては面白かった!今の日本、こんな社会にも容易に成り得るかも。2013/07/31
キムチ猫屋
7
すっごーいスキャンダラス!フェミニズム、キリスト教、男性至上主義、家父長制…興味深く勉強になりました。ただただ恐ろしいのは驚くべき科学の進歩!一体、神の領域とは有るのか?無いのか?小説の世界だけど、現実に起こっていそうでゾッとする。人間は一体どこへ向かっているのー?!2017/08/11