感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やまやま
7
藤田嗣雄氏の復刻が相次いで出されることになり、感慨深い。軍隊という制度は国家に欠かすことはできないという立場で、しかし軍部優越は計り知れない損失を招いたことも明らかであった日本の戦後期に、淡々と軍制度を諸国と比較し文民統制を社会制度として組み込むこととはどういったことなのかを分析した。日本については、法制度でもない軍令がなぜ社会を広く統制したのか。総力戦を戦うにも、統帥と国務の一体的運営とは程遠く、軍事戦略エゴが幅を利かせてしまったのは、既に明治憲法でその統制に失敗したのが遠因とは藤田氏らしい。2019/07/25