内容説明
戦後の国際秩序を支えてきた理念を無視する力による世界の再編が進行し、リベラルな国際秩序がグローバルな特権層の活動の場とみなされ、格差が再び拡大する現在、共産主義理念が国政の現実的選択肢としてはもはや存在せず、リベラルの空洞化が有害なレベルにまで達した社会にいかなる道がありうるか。近代から現代への思想史的理路を確認し、「現代」の基盤を示す、現代法哲学による自由論。民主主義に対する倦怠感が兆し、リベラリズムが空洞化する時代への警鐘と指針。ノモス主権論の構築と並行して練り上げられた自由論を集成!
目次
1(現代の法思想(未定稿)
世界人権宣言と自然法
民主主義の法理念
自由の体系)
2 自由論(意志の自由;世界を作りつつある存在;政治の自由;経済の自由;文化の自由;平和世界の建設)
著者等紹介
尾高朝雄[オタカトモオ]
1899年生、1956年歿。法哲学者。朝鮮に生まれ東京に育つ。1923年東京帝大法学部卒業後、京都帝大文学部哲学科で学ぶ。京城帝大助教授、東京帝大法学部教授(法理学、のち法哲学講座担任)を歴任。欧米留学時代(1928年から1932年)にはウィーンでケルゼンに、フライブルクでフッサールに師事。1956年5月ペニシリン・ショックのため急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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