内容説明
飢餓に苦しむインドで奇跡的な緑化事業をなしとげ、インドの人々から「グリーンファーザー」と讃えられた杉山龍丸。作家夢野久作を父に、アジア主義者杉山茂丸を祖父に持った若き陸軍学校生龍丸は、政界の舞台裏に通じた茂丸の関係者から話を聞くうちに開戦しても勝ち目がないと覚り対米開戦の反対運動を展開、東条暗殺までも企てた。本書は大戦末期のフィリピンで飛行第31戦隊の整備隊長を務めた若き著者がその作業日誌に基づいて、技術職からみた戦争の真実、そして日本軍の技術・現場・戦略軽視がもたらす悲惨の真実を語りのこしたものである。敗戦必至という認識において、人はいかに戦いうるのか。戦後70年のいま、杉山龍丸の遺稿を公刊し、戦争の不条理をあらためて世に示す。
目次
第1章 「幻の戦闘機隊」の誕生
第2章 フィリピンへの派遣
第3章 地獄の海上輸送作戦
第4章 飛行第三十一戦隊の作戦準備
第5章 特攻隊攻撃
第6章 戦隊全滅と再建
第7章 レイテ総攻撃戦
第8章 飛行第三十一戦隊終焉への戦い
著者等紹介
杉山龍丸[スギヤマタツマル]
1919年生福岡市生まれ、1987年歿。祖父杉山茂丸、父杉山泰道(夢野久作)。陸軍士官学校を経て陸軍航空技術学校進学、1943年卒業。飛行第31戦隊整備隊長、フィリピン隼集成整備隊長を歴任。戦後は引揚者を収容するために福岡市に杉山農園を経営。そのかたわら千葉県稲城の引揚援護局に勤務。日本の農法と技術によりアジアにおける貧困根絶を企図して1955年に国際文化福祉協会を創設。1962年からインド訪問を始め、飢餓状況の調査を経て緑化事業を志し、祖先伝来の杉山農園の地所を売却してその費用にあて志を果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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