内容説明
書き下ろしを含む五章構成。最新の日韓古代史。
目次
第1章 北東アジアの視点で考える日韓古代史(日韓の国の始まりとその先住民について;百済と新羅の対立と日本;日本史における朝鮮史像の伝承について)
第2章 北東アジア史と日韓関係(日本滞在二〇年から;北東アジア史からみた日本;韓国の歴史的宿命または使命;今後の日韓関係について)
第3章 韓国民主化と北東アジア―民主主義へと向かう陣痛の一〇年(歴史的遺産としての一九七〇年代;北東アジアの政治と韓国の民主化;一九一九年の三・一独立宣言を思って)
第4章 戦後七〇年と北東アジア(国と国の出会い;近代と現代;丸山眞男を思う)
第5章 ヨーロッパ共同体以降の北東アジアの状況をめぐって(今の時代を何に比べようか;現代の憂愁の中で私たちの課題は?)
著者等紹介
池明観[チミョンクワン]
1924年平安北道定州(現北朝鮮)生まれ。47年に米軍占領下の韓国に渡り、ソウル大学で宗教哲学を専攻。その後高校やソウル大学宗教学科等で教鞭をとるが、朴正煕軍事政権下で大学を追われ、月刊『思想界』主幹となる。72年に来日し74年より東京女子大学客員教授、その後同大学現代文化学部教授。この間月刊『世界』(岩波書店)に15年にわたって「T・K生」の名で韓国の軍事政権の実情を克明に報告・告発する。93年に民主化が達成された韓国に帰国し、翰林大学校日本学研究所長として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
21
朴政権下大学を追われ来日し東京女子大現代文化学部教授を務め、金大中政権では韓日文化交流政策諮問委員長を勤めた池明観(1924年北朝鮮生まれ)2017年発行著書。第二〜第五章は講演会(米国大学、日本の教会での)からの採録。朝鮮を平和な分治国家と認識。欧州様な平和的関係性を東アジアでも構築することを呼びかけ。朝鮮を中国と日本に挟まれた宿命的な国と。百済と新羅の攻防が昨日のことのように語られる認識には少し驚き。そして朴軍事政権が倒れたのに、また数年で軍事政権が権力を握ってしまうのが自分には何とも不思議なところ。2024/05/19
うしろや
1
著者池明観はその昔、T・K生という名で月刊世界に 連載を持っていた。一度も読んだことなかったな。 1924年生まれで、ご存命なら今年96歳か。。。 この本が出たのが16年なので、90を超えても日韓を 行き来してはったようだ。 北朝鮮に実際行って、どうやら絶望的になったそうな。 これはwikiに載ってたので話半分としても、日中韓と北、 北東アジアで考えるという姿勢はその通りだと思う。 世界は思うほど広くなくなってる。嫌だとか嫌いだとか、 そんな眠たいこと言ってる時代じゃないんだし。2020/01/11