目次
第1部 「コロナ禍」への問い(疫病と歴史の構造転換―スペイン風邪からCOVID‐19へ;新型コロナウイルス禍と惨事便乗型政治の失敗;コロナ禍の「自粛要請」とその受容の精神史;疫病国家論;新型コロナウイルス感染症対策の史的前提と専門家会議)
第2部 疫病から読み解く歴史(近代日本の誕生と飢餓・疫病・戦争;隔てること・つなぐこと―奈良・平安期の疫病をめぐって;疫病と仏教導入とその日本化;飢餓・疫病と農業・貨幣の誕生)
附 中世の集団と国制
著者等紹介
小路田泰直[コジタヤスナオ]
1954年生まれ。奈良女子大学副学長。研究分野:日本近代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
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図書館の新刊コーナーで見つけて。日本史における疫病が日本国家に与えた影響を論じると共に、現在のコロナ禍における政府の失策や日本国民独特の心情も論じている。「結局この国では、あらゆる感染症対策は、差別と排除を伴う一人ひとりの自己防衛と、医療従事者たちの決死の献身の上にしかなされないということになる。」なんともやるせないし、情けない。ただ、今の感染拡大の状況と、それに対する政治家たちの対応を見ているとそうも思えてしまう。このコロナ禍が収まった時、未来に向けて救いとなる歴史が描けるようになればいいのだがと思う。2020/11/29