内容説明
古地図を読み解くことで、町や村の歴史や土地の記憶をより詳細に知ることができる!!
目次
第1章 町や村の歴史と古地図
第2章 大縮尺図の表現
第3章 近世の都市図
第4章 刊行都市図の特性―京・江戸・大坂
第5章 近世の村図―河内国の村々
第6章 明治の古地図―近江国犬上郡とその周辺
第7章 大縮尺の古地図と研究
第8章 古地図と災害
著者等紹介
金田章裕[キンダアキヒロ]
1946年富山県生まれ。文学博士、京都大学名誉教授。現在、京都府立京都学・歴彩館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
134
歴史地理学の第一人者による随筆と呼ぶには専門的な一書。なにせ巻末索引が付いている。江戸期の三都(京都/江戸/大坂)の都市図から始まり、村の字限図などの大縮尺図に至る。関西の研究者のせいで、取り上げられる地域も西日本が多い。河南地方の用水路図に出てくる地名などは、学生時代の友人の住所そのものだし、「宇治郷総絵図」は地元の350年前の姿をビビッドに描き出している、絵図の解説を読みながら「本当に何もわかってないんだな」と独りごちる他なかった。2023/05/27
アメヲトコ
5
近世近代の絵図・地図の読み方についての概説書、とはいってもそれなりに歯ごたえがあります。中心をなすのは大縮尺の村絵図や地籍図の読み方の解説で、実際の地理とのズレとその背景がとくに興味深いところ。小字の変容・再編についても述べられており、地名を不変の存在として安易に場所性の読解に利用することの危険性を痛感します。図版はそれなりに多く掲載されていますが、色彩が重要な情報となる図も多いので、カラー口絵がもう少し充実していたらなお良かったかも。2017/06/02
パパ
3
江戸から明治初期に作られた古地図を取り扱うための基本的な知識や背景が整理されたもの。 一般向けに書かれるなら一般的な知識しか持たない人間が、「へぇ」と感心するような学問的な知見や、定見をひっくり返すような事実が欲しいかも。 全くそれがないわけではなく、例えば江戸時代に行政区画として定められたものが村や町で、自然についた地名が字で、明治に入って村が大字に、字が小字になったというのはこの本で初めて知った。 今から古地図を使った研究をしたいという目的意識を持った人が読むべき本という評価。2021/02/21
-
- 和書
- 東京語の歴史 中公新書