La science sauvage de poche
贈与の哲学―ジャン=リュック・マリオンの思想

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  • サイズ B6判/ページ数 192,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784906811083
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

内容説明

来たるべき贈与論への扉を開くフランス現代哲学界の重鎮J.‐L.マリオンの思想をめぐる講義録。マリオン=デリダ論争の解説を含む。叢書“ポッシュ”第2弾!

目次

第1章 贈与の現象学(「存在」から「贈与」へ;ハイデッガーの「存在」と「贈与」;ジャン=リュック・マリオンのキャリア ほか)
第2章 デリダvsマリオン―贈与をめぐる論争(デリダとマリオンの関係;現前の形而上学と脱構築;脱構築とは何か ほか)
第3章 キリスト教と贈与(マリオンとカトリシズム;「神の死」;新しい神の可能性 ほか)

著者等紹介

岩野卓司[イワノタクジ]
明治大学法学部・教養デザイン研究科教授。1959年、埼玉県生まれ。哲学。専門は思想史。パリ第四大学哲学科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小野靖貴

6
現代思想家マリオンの講解。三章「キリスト教と贈与」をじっくり読み。「神の死」から実存を超え新たな神性の可能性を探る。概念説明が分かりやすくて助かる。現象→ハイデガー→神の死→実存→ポスト構造主義→神学贈与…と西洋思想を横断。与えることの重要性が分かります。詳細はコメントに譲る。2014/10/21

nranjen

4
著者の博士論文指導教授(すごい)で日本では馴染みの薄いカトリック系哲学者ジャン=リュック・マリオンの思想を解説した本。講義をまとめたらしく、わかりやすい説明が輪をかけてわかりやすく示されているため、哲学を敬遠していた自分でも今まで鬼門だったハイデガーやフッサールを思わず読んでみたくなった。現象学から出発し、フッサールの形而上学を乗り越え、ハイデッガーの「与えられた存在」をもとに「存在する」から「与えられる」に「パラダイム・チェンジ」するマリオンの思想が、デリダとの差異、カトリック的特徴と共に説明されている2019/02/12

Haruki

2
野生の科学研究所での講義ベース。現象学の還元を徹底していくと自然的態度で見えていた「受け取る人、与える人、贈り物」は捨象され、根源的な「与え」が現れてくる。贈与の性質として、形而上学的な主体や構成、また因果律や充足理由律などを超え、飽和する現象として捉えることで、贈与の持つ偶然性を矛盾なく表現できるという。中盤ではデリダの贈与の考えとの対比を見て、後半では、カトリシズムの観点で与えをとらえる。神学では、神を「存在」や「善」で表現する立場もあるがマリオンは愛、特に慈愛としてとらえて啓示神学に迫りたいとする。2023/01/02

brian.fabu

2
現象学の入門に結構いい本かもしれません。著者はバタイユの研究者。マリオンの現象学に基づいてデリダ、ハイデガーなどの思想家との対立を明確にしながら(いろいろと回り道はありますが)、「存在しない神」という至高の「存在」に基づいてきたキリスト教神学や、西洋哲学からの離脱をはかる概念を生み出したマリオンの思想を追う。個人的にはまなざしの志向性が偶像をうむという論理が興味深かったです。偶像とは自らを映し出す鏡であり、それは神にみずからの理想を押し付ける。ラカンの考えなんかとも繋がりそうですね(自我のパラノイア性)。2015/05/02

wanted-wombat

2
贈与論というと、デリダや彼の参照、批判したモースのものだけがあまりにも有名なため、贈与論=ポトラッチの肯否と短絡的に考えがちだったのだけど、この本はデリダに対立していたとされるジャン=リュック・マリオンの「与え」という概念を提示することで、贈与論に新たな視点をもたらしてくれた(私に)。研究者の間ではマリオンの思想はよく知られていたもののようだけど、一般にも平易な語り口で知らしめたという点で、非常に有意義。対立する思想を知ることは、対立される思想への理解を深めてくれる。デリダに対する私の誤解も見つけました。2014/08/24

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