出版社内容情報
自然環境の破壊が進み、次の世界戦争すら取り沙汰される時代に、「生命の倫理」はその基礎をどこに求めればよいのか。いのちを育む…自然環境の破壊が進み、次の世界戦争すら取り沙汰される時代に、「生命の倫理」はその基礎をどこに求めればよいのか。いのちを育む宗教的霊性の息吹をどこに汲めばよいのか。芸術、哲学、宗教の三つの位相にわたってこの問いを探求するべく、七人の著者がスクラムを組んだ。
モーツァルトの音楽、日本の仏教美術、中世の『創世記』写本にいのちの調べを聴き、アシジのフランシスコ、ノリッジのジュリアン、マイスター・エックハルトらの宗教思想に霊性のあらわれを読み、西田幾多郎、ハンス・ヨナスの哲学に隘路を突破するための戦略を学ぶ。
序 いま、問われる命から〈いのちの宗教的霊性〉へ
? 〈いのちの霊性〉の芸術
第一章 霊性の道としての音楽
第二章 フランスにおける日本仏教美術研究への概観
第三章 中世文学作品における「いのち」の表れ
? 「命の倫理」をひらく
第四章 悲哀と表現
第五章 エックハルトにおけるペルソナ性と非ペルソナ性
第六章 ハンス・ヨナスの倫理学における「乳飲み子」の意義
? 〈いのちの霊性〉と「いのちの宗教哲学」 海
第七章 アシジのフランシスコとマイスター・エックハルトにおける「貧しさ」
第八章 神との出会いに養われるいのち
第九章 「生命(いのち)」の宗教哲学の可能性〈と〉「いのち」の宗教的霊性
海老原晴香[エビハラハルカ]
編集
長町裕司[ナガマチユウジ]
編集
森 裕子[モリヒロコ]
編集
内容説明
音楽・美術から形而上学まで、生命の繊細なあらわれを巡り、いのちを育み生かす、宗教的霊性の原像と動態を探る。
目次
1 “いのちの霊性”の芸術(霊性の道としての音楽―モーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』を聴いて;フランスにおける日本仏教美術研究への概観―その誕生と発展;中世文学作品における「いのち」の表れ―『初期中高ドイツ語創世記』の「テクスト」と「挿絵」を題材に)
2 「命の倫理」をひらく(悲哀と表現―西田幾多郎における行為的自己の生命の自覚について;アシジのフランシスコとマイスター・エックハルトにおける「貧しさ」―所有と贈与の観点から見たキリスト教的霊性;ハンス・ヨナスの倫理学における「乳飲み子」の意義)
3 “いのちの霊性”と「いのちの宗教哲学」(エックハルトにおけるペルソナ性と非ペルソナ性―ローゼンベルク『二十世紀の神話』に見る神秘主義(Mystik)の誘惑
神との出会いに養われるいのち―ノリッジのジュリアンはなぜ神の啓示を二度執筆したか
「生命」の宗教哲学の可能性“と”「いのち」の宗教的霊性―ハンス・ヨナス、西田幾多郎、ミシェル・アンリ等との対話的思索を通じて)
著者等紹介
海老原晴香[エビハラハルカ]
1981年生まれ。専攻はキリスト教古代ギリシア教父思想、キリスト教霊性思想。白百合女子大学カトリック教育センター専任講師
長町裕司[ナガマチユウジ]
1956年生まれ。専攻はドイツ近・現代哲学、宗教哲学、キリスト教思想史。上智大学文学部哲学科教授
森裕子[モリヒロコ]
1959年生まれ。専攻はキリスト教信仰と音楽表現、グレゴリオ聖歌。上智大学神学部神学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ