内容説明
未知のリアリティに直面すること、生存の感覚が、決定的に更新されること、きよらかな泉による自我のいやし…。言葉の届かない「宗教」の核心に迫った宗教哲学者による、21世紀への遺言。
目次
回心と現代
1 統合の作用(「神のはたらき」をどこに見るか―経験とイメージ化;統合ということ)
2 回心の構造(自我と自己;主体の交替)
キリスト教教義の形成について
著者等紹介
八木誠一[ヤギセイイチ]
1932年生まれ。専攻、新約聖書神学、宗教哲学、東京大学とゲッティンゲン大学に学ぶ。文学博士(九州大学)、名誉神学博士(スイス・ベルン大学)。東京工業大学教授、ハンブルク大学客員教授、現在、東京工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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amanon
5
これまで呼んだ著者の作品に比べると、かなり難解で、神学的というよりむしろ哲学に近いというのが第一印象。用語も独特な物が多く、内容を理解するのにかなり苦労させられ、字面を目で追ったという箇所も少なくない。ただ、後書きにもあるように、現代においてキリスト教信仰の根拠を求めることの困難さは改めて理解できた気がする。また、あまり黙想を重視しないプロテスタントの立場から、黙想の意味を禅と絡めて黙想の意味を改めて問い直したくだりは興味深かった。この辺りは今後も論及の予知あり。最終部での三位一体と太陽の比喩は見事。2019/01/07
905
0
著者の言うことには納得できるし、キリスト論や三位一体論もわかりやすいんだけど、結局、定義や解釈のやり方次第のような…。語の選択やカテゴライズのやり方とか恣意性を感じるし、仏教(一括りにできないのは承知の上だが)の包括性と比べて、人を選ぶというか、選ばれるというか、そもそも教会の成立が選民意識に基づいている以上、今のキリスト教にもそういう性格はあるように思う。ただ、イエス自身の自覚とその教えには(教会の教義はともかく)深く首を垂れる。2021/07/23
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