内容説明
ナチス的ユートピア、それは「決して起きてはならなかったこと」であった。ハイデガー存在論の最も深い位相をくぐった果てに、世界戦争という今日のアクチュアルな問いを担って、批判的に語り始めようと苦闘した二つの道筋―アレントとレヴィナス。ここにふたたび現代哲学の最前線があらわれる。
目次
1 他者と時間―ハイデガー、レーヴィット、レヴィナス(レヴィナスのフライブルクへ;ハイデガーのマールブルクへ)
2 役割としての人間―ハイデガーのカント解釈にそくして(ホモ・ヌーメノンの実存感情;道徳的人格性と物在性の交差)
3 第三帝国の存在論―アレントのハイデガー批判(ナチス・ドイツの定言命法?;凡庸な悪とその日常性)
4 近世存在論の超越論的構造―人間的構成力の臨界(認識論的転回の地平を求めて;世界の時間と自由)
5 超越の倫理とレヴィナス―生き残りの視線(感覚の享受、知識の倫理;身体とその過去;差異の時間と身体;顔の無限性と場所の倫理;世界への驚き、たまさかの生存)
著者等紹介
横地徳広[ヨコチノリヒロ]
1972年生まれ、専攻、倫理学・現象学、2007年、東北大学大学院文学研究科博士課程修了(倫理学専修)、博士(文学)、現在、弘前大学人文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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