内容説明
温かく、深く、明るい「謎」への招待―素数の歌は愛の歌。自伝的数論エッセイ。
目次
数のおもしろさ
無限遠点は遠い
1 素数の歌(宇宙が先か素数が先か;素数の歌は愛の歌)
2 恋する数(心高ぶるゼータのふしぎ―岩澤理論の拡張について;イデアル類群の喜び)
著者等紹介
加藤和也[カトウカズヤ]
1952年、和歌山県生まれ。整数論における世界のリーダーの一人。東京大学理学部教授、東京工業大学理学部教授、東京大学大学院数理科学研究科教授、京都大学大学院理学研究科教授を歴任。現在、シカゴ大学数学科教授。2002年、整数論の研究に対して朝日賞(朝日新聞社)が、2005年には、整数論・数論幾何学の研究に対して、日本学士院賞が贈られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やす
6
数学者のみている風景を普通の言葉で語ってくれる奇書。例えばゼータはお通が鶴から娘に姿を変えて恩返しに来たようにゼータ関数に姿を変えて解析的な存在として姿を現す。はたまた代数的な化身として現れる。でもゼータの本当の姿はまだ不明である。数学の全く関係のない分野を結びつけるゼータは高次の数学世界を予見させる。素因数分解の一意性は整数に√2を付け加えた体では失われるが、イデアル(xで割った余りで分類する感じ)を考えると因数分解の一意性が再び現れる。 などの不思議で理解の難しいものを情緒的に味わえる。2012/07/31
ちくわん
4
一気読み。「ただ者」ではない、と伺っておりましたが、特に後半はすごいです。ほぼ一回り上の世代ですが、最新の数学をここまで語りきるとは。というわけで数学者のエッセイを購入したと思ったら、本格的な専門書といっても過言ではない本でした。2017/08/13
Steppenwolf
1
評価できない。残念ながら私には本書の内容を云々できるほど理解できなかった。著者あとがきを見てエッセイと書いてあったから簡単すぎるかと思ったが数学者向けのエッセイなのだろう。数学に関する下手の横好きには荷の重い数学的内容である。若干素数や数論への思いがこうじてしまうところもあった。私がついていけたのは冒頭のエッセイで朝日新聞に書かれたものだけであった。2020/03/22
ねりけし
1
文系の私には難しくてなんとなくしか分かりませんでしたが、理数系の人々はこんな世界で研究しているのかという雰囲気を味わえました。2014/11/16
えみー
1
御自身が若い頃、吉祥寺で気付いたら裸になってて、警察官に連行された話にも触れられていました。読者には、狂わないと駄目なのか、と心配にならないで欲しい。事実、私の周りはまともな人ばかりだ、とのことです。2012/07/28
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