感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
31
対話が成立するためには、相手を肯定するところから。物言う知識人がいないのは、物言うそのあとの迷惑を蒙りたくないというのは大きい。民主主義を抱える共同体が成立するためには、利益をこえてその共同体に尽くす姿勢をみんなが持っていることが大事。後は、内田さん定番の身体性の話。身体性の話なると保守的な考えにならざるを得なくなる。2019/12/30
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
31
「戦中派」とか言われてももちろん全然理解できないんだけど、それを内田さんと平川さんの言葉を介して理解しようともがきながら読むこと自体に意義があるのかな。 「歴史的文脈、世代的文脈に置かれた自分」の輪郭が見えたような気がする。 村上春樹そろそろ読まなきゃかなぁ(笑) あと、本筋とは関係のないボヤキにはたと勇気づけられたり。2019/11/30
tokko
25
こういう対談って途中で「あれ、これはどっちが言ってたんだっけ?」てなるんだけど、微妙に内田先生の言葉遣いと平川さんの言葉遣いが違うので、すらすらっと読めました。最初はおじさん二人のぼやき合いなのかなぁ、と思われるところもあったんだけど、吉本隆明くらいまでくると(ほとんど最後ですね)やはりこの世代ならではの思いが伝わってきます。2019/11/26
ophiuchi
19
村上春樹にかなりページが割かれているが、なぜここまで高評価なのかは、やはり今一つピンとこなかった(初期作品は夢中に読んだんだけど…)。カズオイシグロが現代を代表する知性であろことには同意するし、ほとんど読んでいない吉本隆明は読んでみたいと思った。2020/04/23
tamami
11
久しぶりの内田樹本。無二のパートナー平川さんとの対談本ということで、読みやすく、かつ有益な指摘が随所にあり、以後の行動規範の一部にとも思う。村上春樹の文章が構築的でない故にリズムに乗れて気持ちがよい、というような指摘が面白かった。最終章、生活言語と抽象言語を戦後派世代が架橋するという話題になったが、現代日本の言語状況はさらに悲惨さを加えているのではないか。我々は、抽象言語はとにかく、生活言語を身体感覚に基づいてどれほど操れているだろうかと、ふと思った。10年後の日本人の言語表現はどうなっているだろう。2020/02/02




