内容説明
32のトピックスで読む、謎とロマンに満ちた時代。旧石器・縄文文化からアイヌ文化の形成、松前藩成立までを豊富な図版で解説。どこからでも読める古代・中世入門書!
目次
第1章 北海道の黎明(遺跡が語る旧石器文化と縄文文化;続縄文文化―弥生・古墳時代の北海道)
第2章 北方への広がりとアイヌ文化(古代国家との接触―オホーツク文化と擦文文化;アイヌ文化への道)
第3章 アイヌ民族と中世国家(「夷嶋」と中世国家;武田(蛎崎)氏とアイヌ支配―松前藩成立前史)
著者等紹介
関口明[セキグチアキラ]
北海道大学大学院文学研究科後期博士課程修了、博士(文学)。現・札幌国際大学人文学部教授。専門分野は古代・中世の北方史
越田賢一郎[コシダケンイチロウ]
立教大学大学院文学研究科修士課程修了、北海道教育委員会、北海道埋蔵文化財センターを経て、現・札幌国際大学人文学部教授。専門分野はアイヌ考古学、東北アジア史
坂梨夏代[サカナシナツヨ]
東京大学大学院新領域創成科学研究科修了、博士(環境学)。現・札幌国際大学専任講師。専門分野は先史考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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moonanddai
11
私自身の頭の整理で恐縮ですが、北海道の各文化期の特徴としては、旧石器時代は(当然)石器。縄文時代に土器が出現し食生活に大きな変化がみられ、次の続縄文(というのがあるのです)時代に鉄器が使われだし、石器は減少。擦文時代(というのもあるのです)土器、土師器、須恵器を使用。そして副葬品としての装身具が消滅。アイヌ文化期になると土器は終焉し、主に漆器類、木器を使用。副葬品としての装身具の復活すると…。このアイヌ文化が現れるのは(本州の)鎌倉時代あたり、つまりやはり中世が一つの画期とみてよいのではないかと思います。2024/04/29
mahiro
11
先史時代からの北海道に住む人々は縄文、続縄文、擦文文化と続き、オホーツク文化が入ってきたり樺太からの人々など同時に幾つもの勢力圏に分かれていたり、今のアイヌ民族も和人を脅かす強大な力を持っていたり大陸と交易し、元や朝鮮半島に使節まで送っていたのだ。平安時代頃から渡島半島辺りに館や砦などを建てて足場を作っていた和人達(彼等も都からは俘囚、夷と呼ばれていた人々の血筋)が着実に勢力を伸ばし松前藩を形成するまでの過程も興味深い。2018/05/11
ぽんくまそ
6
各時代の要に触れている薄い本なので、歴史の復習として有用だった。北海道の歴史が新しいと勘違いしている多くの人におすすめ。2021/06/23
Tom
4
2015年刊。北海道の歴史に関する一般向けの書籍は近世以降のアイヌ関連は多数出ているが、古代中世となると途端に少なくなる。本書は旧石器時代から北海道の古代中世を中心にトピック別に32題を扱う。1題が数ページでまとめられており、下部に用語の注釈と各題の終わりに参考文献が付されており、非常に親切なつくり。巻末の遺跡MAPも面白く、北海道に行ったら本書を片手にぜひ訪ねてみたい。北海道はアイヌ文化成立前は日本史から断絶された土地と思われがちだが、七世紀の阿倍比羅夫遠征をはじめに、古代日本と交流が絶えなかった。2024/04/06
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