天皇制と闘うとはどういうことか

個数:

天皇制と闘うとはどういうことか

  • 菅孝行
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 航思社(2019/04発売)
  • ポイント 32pt
  • 在庫が僅少です。通常、3~7日後に出荷されます
    ※事情により出荷が遅れたり、在庫切れとなる場合もございます。
    ※他のご注文品がすべて揃ってからの発送が原則となります(ご予約品を除く)。
    ※複数冊ご注文の場合にはお取り寄せとなり1~3週間程度かかります。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷予定日】
    ■通常、3~7日後に出荷されます

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫状況は刻々と変化しており、ご注文手続き中やご注文後に在庫切れとなることがございます。
    ◆出荷予定日は確定ではなく、表示よりも出荷が遅れる場合が一部にございます。
    ◆複数冊をご注文の場合には全冊がお取り寄せとなります。お取り寄せの場合の納期や入手可否についてはこちらをご参照ください。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784906738373
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0031

出版社内容情報

沖縄、改憲、安保法制、国旗・国歌……
なぜ政権批判のために、天皇の発言をテコにしなければならないのか。
護憲平和派が「おことば」に依拠するのはなぜなのか。
70年代半ばから天皇制論を発表し、「反天皇制運動連絡会」を設立した著者が、
中世下層民の文化からひもとき、敗戦後の占領政策問題、
安倍政権批判に至るこれまでの反天皇制論を総括、
あらたな戦線のための拠点を構築する。
欺瞞に満ちた戦後民主主義を脱却し、民衆主権の真の民主主義を根付かせるために。
(樋口陽一との対談、ダグラス・ラミスへのインタビューも収録)


【著者より】

反天皇制闘争が目的に到達するには
「物質的な力」に転化した観念の共有が不可欠だ。
「敵」は幻想の共同性、
すなわち国家の権威としての宗教的価値を内面化した
「国民」の観念である。
制度の除去には、それに先立つ観念の無力化が不可欠なのである。
それによって、きのうまで畏怖や憧憬や親愛の対象だと感じられた
権威の表徴に何も感じなくなり、
集合的な畏怖や憧憬や親愛を媒介とする観念の統合力が消滅する。
それを実現するのは権力のヘゲモニーと闘う対抗ヘゲモニー形成の運動、
「陣地」を形成する組織戦である。

——第Ⅰ部第3章より


【目次】

第Ⅰ部 日本君主制の制度悪を問う

 第1章 天皇制と闘うとはどういうことか——制度悪の一掃のために
  Ⅰ 近代国民国家の統治形態としての天皇制 | Ⅱ 裕仁と明仁の差異 |
  Ⅲ 明仁天皇制のアポリア | Ⅳ 国家神道の呪縛 | Ⅴ 日本文化と天皇制 |
  Ⅵ 天皇制との闘いをどう構想するのか
 第2章 安倍政治・立憲主義・反天皇制——樋口陽一×菅孝行
 第3章 集合的幻想の起源と占領統治七十余年の欺瞞
     ——「改憲」に直面する2018年以後に向かって
  Ⅰ 政権の改憲志向と天皇の「護憲」 | Ⅱ 八・八が露呈させたもの |
  Ⅲ 詐術としての象徴天皇制の歴史的起源と現在 | Ⅳ 天皇幻想の基盤と虚構の起源 |
  Ⅴ 現代国家における天皇制と「主権者」の〈始末〉のつけ方

第Ⅱ部 生前退位と占領統治の陥穽

 第1章 何よりもダメな〈主権者【われら】〉
     ——政権の荒廃・生前退位・戦後統治七十四年の因果
 第2章 明仁「八・八メッセージ」から天皇制解体を考える

第Ⅲ部 戦後天皇制国家と沖縄

 第1章 安保・沖縄・天皇制に関する「本土」の歴史的責任
 第2章 沖縄と「本土」の間——天皇・安保・辺野古基地 ダグラス・ラミス インタビュー

第Ⅳ部 〈聖なる天皇幻想〉は何を生み出したか

 第1章 日本近代国家の宗教性をめぐって
  Ⅰ 近代の統治の幻想性とその射程 | Ⅱ 占領軍と天皇裕仁の合作 |
  Ⅲ 日本社会の差別と天皇 | Ⅳ 戦後(象徴)天皇制の延命と変質
 第2章 賤民文化の精神世界
  Ⅰ 日本文化と天皇 | Ⅱ 柳田國男と民衆文化 |
  Ⅲ 野垂れ死にと隣り合わせの〈幻想の解放区〉 | Ⅳ 賤民文化の歴史的原基 |
  Ⅴ 賤民の力——宗教と芸能をめぐって | Ⅵ 漂泊者の精神世界 |
  Ⅶ 新旧仏教と被差別 | Ⅷ 賤民文化の達成と展望

第Ⅴ部 統合切断に向かう〈組織戦〉

 〈組織戦論〉序説
  Ⅰ 「短い二〇世紀」の帰結 | Ⅱ アジールと根拠地 | Ⅲ 過去の遺産へ |
  Ⅳ 矛盾は力に変わり得るか | Ⅴ 関係の危機の長い道程 |
  Ⅵ 統一戦線と「工作者」 | Ⅶ アジール建設と組織戦

補足的論点 天皇制と日本資本主義のことなど——あとがきにかえて



【略歴】

菅 孝行(かん・たかゆき) 1939年生まれ。評論家、劇作家。
舞台芸術財団演劇人会議評議員、
ルネサンス研究所運営委員、河合文化教育研究所研究員。
著書に『戦う演劇人』(而立書房、2007年)、
『天皇制論集 天皇制問題と日本精神史』(御茶の水書房、2014年)、『三島由紀夫と天皇』(平凡社新書、2018年)、
編著に『佐野碩 人と思想』(藤原書店、2015年)など。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

衛府蘭宮

0
「天皇がなくなって、社会矛盾がなくなるのではない。闘いを通じて社会矛盾を取り除く力を人間が獲得した分だけ、天皇の呪縛が希薄化してゆくのである」(108頁) 社会的紐帯の形成によって、天皇という「幻想の共同性」がどうでもよくなって消滅する……。天皇・天皇制に罵詈雑言を浴びせて事足れりとしたり、天皇制がなくなれば社会問題や日本人の心性が解決するというような、粗雑な天皇制批判とは比較にならない鋭さがある。2020/08/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13633383
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。