内容説明
抑圧的な権力、支配システムのもとで人々はいかに結集し、蜂起するのか。全共闘、明治維新、おかげまいり、横巾の乱、文化大革命、ロシア革命、ナチズムなど古今東西の事象と資料を渉猟し、群集、都市文化、組織、情報、戦争、身体、所作/作風などあらゆる側面から考証、「名もなき人々による革命」の論理を極限まで追究する。
目次
1 横議横行論
2 群衆は増殖する
3 レーニンと組織戦略
4 ゲッベルスの大衆操作
5 仮面と変身―サブカルチュアの政治経済学のためのノート
6 異化する身体の経験―全共闘世代について
7 差別について何を語りうるか
8 横議横行論(続)
著者等紹介
津村喬[ツムラタカシ]
評論家、気功家。1948年生まれ。1970年、早稲田大学第一文学部中退。在学中より評論活動を開始。現在、NPO法人気功文化研究所代表、NPO法人日本健身気功協会理事長をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミスター
2
津村喬は本当に読みにくい。難解に書いてあるからというのではなく、受け入れ難い主張と受け入れやすい語りが出てくるからだ。モザイク状に敷き詰められた固有名詞と概念によって、特異なアジテーションとテーゼが生成されていく。そのような読み難いテキストの中で「権力をとる思想から権力になる思想へ」や「身振りの解放」といった重要だと思われるブロックをみつけていく。読者は津村喬の洪水のように溢れ出す叙述についていく必要はない。単に溺れてしまう。そうではなくその中で「引用」するべき流れの片鱗を見出せば良いのである2018/08/08
uehara
1
読書会で中断挟みつつだらだら1年くらいかけて読んでさらに感銘。権力とともにある知について、タテの情報流通に対してヨコの情報流通が既成のもの/新しいものを貫く「横議横行」(Ⅰ横議横行論)を、ルフェーヴル(やはり大きい)、バルト、ベンヤミン、毛沢東、カネッティと"「自己」への断念"(Ⅵ異化する身体の経験)とともに引用するスタイルは、都市とその加工とともにあったことはやはりおさえておきたい。〈国=語〉批判 を展開するⅤ仮面と変身ーサブカルチュアの政治経済学のためのノートは、スガ秀実によって引用されたといえる。2025/09/02