内容説明
伝説の任天堂開発者本人によって語られた開発哲学「枯れた技術の水平思考」がついに、全貌を顕す。
目次
軍平語録
序文 いま横井軍平が必要だ(草〓(なぎ)洋平(東京ピストル))
人間の本能がゲームの原点
第1章 横井軍平の「ものづくり」
第2章 “バーチャルボーイ”とは何だったのか
第3章 偉大なる「すきま産業」
特別付録 横井軍平関連資料集
著者等紹介
横井軍平[ヨコイグンペイ]
1941年‐1997年。元・任天堂軍式会社製造本部開発第一部部長。1941年京都府生まれ。65年同志社大学工学部電気工学科卒業。同年任天堂に入社、翌年“ウルトラハンド”を開発し大ヒット商品となる。以後“ウルトラマシン”“光線銃SP”“ゲーム&ウォッチ”“ゲームボーイ”“バーチャルボーイ”など、玩具・ゲームの世界でユニークな商品の数多く開発する。96年同社を退社、株式会社コトを設立。バンダイの携帯型ゲーム機“ワンダースワン”の開発にアドバイザーとして参加する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
booklight
37
TVゲームはあまりしないけど面白かった。任天堂で「ウルトラハンド」から「ゲームボーイ」まで作り上げて大きくした人なので、アイデアとビジネスが一体化していて素晴らしい。新幹線で電卓で遊んでいる人をみてゲームボーイを作ってしまうなんて、まさに「枯れた技術の水平思考」。それにゲームの高機能・マニア化は、100いた客を50にしぼって3倍の値段で売るみたいで先細り、っていうのはものづくりのあるある。面白さはモノクロでも(ゲームボーイ)画面が小さくても(たまごっちとか)伝わる。だって遊びたいのだから。2019/10/27
R
25
知らずに読んでしまったけども、自分が幼少期から慣れ親しんだゲームや遊びを作った人の技術に関する本でした。業界では伝説的な人物であり、その水平思考というものの奥深さが白眉。ゲームを作った人でもあるけど、経済的にいかに技術をうまく利用するかということに長けているというのが、一線を画するように感じます。素晴らしい技術をどう落とし込んだら面白い体験になるのか、遊びの本質をブレず考えて、そこに到達するために技術を応用するというのが大変ためになる面白い一冊でした。2018/07/14
メタボン
13
☆☆☆★ 任天堂にこんな素晴らしいクリエーターがいたことを知らなかった。ゲームウォッチはすごくシンプルなのに、のめりこむ楽しさがあった。確かに電卓が安く普及するようになったからあの手ごろな値段でハンディゲームが出来たのだろう。同じ市場で競争しない、独断場の市場を築いて大きく儲けるモデル。そして追随者が出てきたならば、あっさりと別の新しい市場開拓に勤しむ。不慮の事故で亡くなってしまったのは残念。最近の任天堂は元気がない。ニンテンドウDSやWiiのような大ヒットは出るのだろうか。2015/05/16
めいけふ
9
内容は色んな雑誌からの転載なので重複していることが多いが、もし今生きていたとしても内容は変わらないだろう。それだけぶれないシンプルで力強い考え。新しい技術が安く手に入るようになった今こそより発揮できるんだろうな。2014/02/05
たいそ
8
ゲーム&ウオッチ、ゲームボーイをつくった横井軍平氏のことば。「ありふれた技術をまるで違う目的に使う」ということをどう実践するかのヒントがちりばめられていた。「とびつくな、見守れ」「裏側からものを見る」「隙間商品」というのが参考になった。 「もう一回子供から初めていろんなものに興味を持ちなさい。」2014/02/11