目次
第1章 国家社会論
第2章 暴力論
第3章 右翼・左翼論
第4章 沖縄論
第5章 差別論
第6章 反米独立論
第7章 東アジア論
第8章 中朝論
第9章 社会主義論
第10章 コロナ論
著者等紹介
宮崎学[ミヤザキマナブ]
1945年、京都府生まれ。早稲田大学中退。在学中は日本共産党民青系のゲバルト部隊に所属する。週刊誌記者を経て、実家の建築解体業を継ぐ。1996年、自身の半生を描いた『突破者』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
23
ヒューマニズムもいきすぎればファシズムになる。これ以外にも、世間に溢れる論者を装う詭弁や虚飾を排した言葉は、腹というか尾骶骨まで落ちてくる。アウトローとインローの境が曖昧だった時代にヤクザの家に生まれ、数々の修羅場を踏み、書を著し、令和四年の春まで生きた。マルクス主義に共感しやがて訣別、そして保守という名の保身を軽蔑した男の次世代へ渡した言葉。本当のリベラルとはこういうものだろう。強き存在に対する、永世武装中立。寄りかからず立つ、その誇らしさと難しさ。2022/04/17
hasegawa noboru
12
よくぞ言ってくれたと私なんか(=老人)思うところ多々あったが、明るさは滅びの色かのめでたき当世にあっては、消えてゆく世代の繰り言なのだろうか。「遺言」とはいかにも辛い。いけ好かぬ世間、集団、国家のありように激しい怒り(昔は時に暴力)をもって直言する。喧嘩っ早いジジ。まだいてくれたのかとホッとする。2021/08/26
モリータ
9
◆2022年4月4日、著者死去。本書は『月刊日本』連載の同題の文(2014年12月~20年9月号)により、2021年7月刊。死後も恐らく出版があるが、最初から「遺言」と銘打たれた本書をまず題の通り受け取る。掟(≠法)、個人(≠国家)、矛盾を抱えた醜い社会(≠清潔さ・正論が支配する社会)、民族主義(≠新自由主義・共産主義その他のイデオロギー)、好き嫌い(≠理屈)、そして個人の覚悟に基づく暴力の行使を是とする著者の立場、日本の行く末、本土-沖縄の差別の構造など、(心に響いたかは別として)振り返ることができる。2022/04/04
gokuri
5
突破者を読んだのはいつだったのだろうか。すごい論客がいたものだと思ったことが懐かしい。 行動者としてすごしてきた著者は、限られた誌面とはいえ、継続して気を吐いていたのだと思うと、少しうれしくなる。2022/01/31
Junichi Watanabe
1
#読了 。思想主義主張は理解できないが共感するところ有り。特にコロナ論死の問題はおおいに共感。「世界中がコロナヒステリーだ。だが癪に障るのは今回のヒステリーがヒューマニズムで偽装されている事だ。ヒューマニズムは行き過ぎるとファシズムになる。清く正しい善良な人間だけがまともな国民でそれ以外は非国民だという同調圧力が強まる。コロナヒステリーを機に健康的衛生的にもキレイな社会を求める傾向が強まるだろう。」正しく今の日本は寛容性がなく他者を認めない傾向が強まっている。いつか来た道をたどらなければいいが。2022/08/30