内容説明
このままでは、日本の神社が消えていく。季刊『宗教問題』編集長が、ついに暴いた真実!日本全国の神社を統括する「神社本庁」だが、神道信仰者は、今ではわずかに二・七%。なのに、戦前回帰願望、安倍政権支持等々、参拝者の幸せよりも政治的活動にご熱心。それは、多様な内紛の原因ともなっている。
目次
はじめに ゴシップ事件が多発する神社界
第1章 日本から神社が消える日
第2章 知られざる国家神道の実態
第3章 反米思想と戦前回帰願望
第4章 神社本庁は安倍政権を操っているか
おわりに 陰謀論を超えて
著者等紹介
小川寛大[オガワカンダイ]
1979年、熊本県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。宗教業界紙『中外日報』記者を経て、宗教ジャーナリストとして独立。2014年、宗教専門誌『宗教問題』編集委員、15年、同誌編集長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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岡本
78
Kindle。宗教ジャーナリストであり、「宗教問題」編集長の著者がまとめた神社本庁の歴史と現状。日本会議と並んで何かと批判されがちな同団体だが、実態は神社の組合といった所であり、集票力は幸福の科学に劣るレベル。理念は必ずしも自民党と重なる訳でもなく、戦前懐古主義が根強い。締めくくりに書かれた通り、同団体の戦後70年以上の活動の結果が今日の衰退しゆく神社界隈であり、政治活動よりも力を入れる事があるのではと思う。批判一辺倒でもなく、よく纏まった良書。2023/12/22
toiwata
6
この本と、葦津珍彦の「新版国家神道とは何だったのか」を読めば、戦前戦後の概略が理解できるのではないか。 (その「内在的論理」に納得するかどうかは、当然、別の話になるが。)2021/05/26
ジルルカ
6
日本にある大半の神社を取りまとめ、現政権に大きな影響力を行使しているとも言われる神社本庁の実像について、本書では客観的事実をもとに「そこまで実力のある団体ではない」と切り捨てている。神道業界の実力者たちに戦前の国家神道への回帰志向がきわめて強い一方、戦前は禁止され、戦後解禁された宮司の世襲に関してだけはその限りではない、との指摘は当事者たちにとって耳が痛いのでは。2019/02/19
鳥山仁@『純粋娯楽創作理論 第二章』発売
6
著者が「大手出版社からの出版を断られた」とツイートしていたので、現代神道に関して正確な記述をしたのだろうと思って読んだがその通りだった。本来は自然崇拝だったはずの神道が、乃木神社のように明治期以降から「怨霊鎮魂以外の目的で人を祭るようになった」という指摘は重要。ラストで左派勢力になっているキリスト教、浄土真宗批判もしており、非常にバランスのとれた内容になっている。2019/02/11
青縁眼鏡
6
小川さんは常にフラットで客観的。信用できる著者です。2019/01/16