出版社内容情報
広瀬 隆さんが魂を込めて語った講演録。
「原発事故が起これば何も言うまい、話すまいと決めました。でも現地の状況を聞き、矢も盾もたまらず、福島の子どもたちを救うためにお話しすることを決めましたー。」
目次
第1章 福島原発で起こっていること―東京・豊島公会堂での講演会より(広瀬隆)(福島の子どもたちを守りたい;事故は現在進行中;大変な放射能が漏れ出ている;配管が破損している;津波の前に地震で壊れた;なぜ情報を隠すのか;「チェルノブイリの1割」報道;全原発とも「安全停止」不能;津波は「想定外」だったのか;デタラメ発表と受け売り報道 ほか)
第2章 食卓にしのびよる放射能―放射能測定にもとづく報告(鈴木千津子/山崎久隆(たんぽぽ舎))
第3章 子どもたちを守りたい―福島のお母さんたちに聞く(成澤宗男(『週刊金曜日』編集部))
著者等紹介
広瀬隆[ヒロセタカシ]
1943年、東京生まれ。大学卒業後、大手メーカーの技術者を経て、医学書の翻訳に携わったのち執筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじ
18
長期積読本。週刊金曜日から2011年当時に出た、福島第1原発事故の「実際の」状況を講演したもの。真実だとすれば、もしかしたら無知は幸福なのか?と思わされるほどのディストピア。私は批評するほどの基礎知識を持ち合わせていないのだけれど、とりあえず比喩的に言うならば、原子力発電は、超強いけど、自力で制御できない奴を仲間に加えた、みたいな存在であることを理解。東電ばっかり槍玉にあがるけど、うちの100キロ圏内には東北電力の原子力発電所があるなぁ。2019/05/15
竹薮みさえ
1
このつぶつぶのイラストが苦手で読まずにきた。広瀬さんの本は3.11前のものを結構読んでるし。でも図書館に3.11と原発の棚ができて、行く度に一冊借りてくることを決めた。そこで手に取った。読んでよかった。広瀬さんの懊悩が伝わってくる。やはり、現実に「事故」を起こしてしまったあとでは、これまでと違う。この本何冊かかって配ろう。本気の大人の絶望と希望を見よ。2012/07/28
シーサー
1
福島原発で何が起こったのかがとてもわかりやすく説明されてます。 広瀬隆さんの講演会を本にしたもの。 原発事故について知るにはまずこの本を読むといいでしょう。
Ponyo
1
ニュースや新聞では小さな記事でしか報道されなくなったけれど、原発はまだまだ怖い。特に14歳以下の子どもを持つ身としては、お弁当の学校にしたり、日頃出かける場所に気を付けたりはしているけれど、それでもどれ位子どもの身を守れているんだろう…とふとしたときに不安がよぎる。原発周辺に暮らす人にとって、そのストレスはいかほどだろう。日本に住んでいる限り逃げることはできないから、現状を知ること、脱原発に向けて意識を変えることが、今できることなのかと思いながら読んだ。2012/04/30
atota
1
4月までの経過が分かりやすく明記されている。のに、この本があまり読まれていないこと。被災者達が聞きたくない気持ちになるってことが日本人全体の気持ちになっているのかもしれないと思った。2011/11/15