内容説明
それぞれのドアの向こう側で、子どもたちは立ちすくんでいた。俺は何のために生まれたんだ―時に自分の不幸を笑い、諦めながら。時に甘え、小さな希望にすがりながら。訪問した若い取材者にぶつけてきた子どもたちの思いが、ここに記録されている。その一瞬の表情、しぐさ、言葉が放つ普遍的な力を、すべての「親」「子」に届けたい。親があっても「親なき子どもたち」が、この社会にはどれくらいいるだろうか。
目次
北海道家庭学校
俺はなんのために生まれたんだ?―和幸・17歳
いまでも親に捨てられた気がしている―拓生・20歳
ずっと、母親と祖母を殺そうと思っていた―泰久・18歳
お父さん、僕を殴らなければ最高の人―智希・18歳
学校には行ってなかった、朝起きられないから―直生・15歳
お母さん、心開いてくれないんだよね―恵祐・21歳
一応、家族に戻っておきたいです―陽・16歳
受け入れられなかった11歳差の「父」―浩志・16歳
「子どもの家」(スイス・ジュネーブ)
著者等紹介
島津あき[シマズアキ]
1981年生まれ。現在、一橋大学大学院社会学研究科修士課程に在籍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いちご
3
北海道にある児童自立支援施設で生活している、していた少年のインタビューがメイン。親ガチャはずれで壮絶なマイナススタート、実は彼らの親もまた壮絶な家庭環境から人生マイナススタートで見事に連鎖した結果が多い。この本では後半で著者がスイスの同様の施設を視察して、日本の施設や福祉を比較した上で批判しているがそこは残念。ダメなのは施設だけ?スタッフだけ?あえていうならみんなダメだと思う。なんだかんだ言ってもここを手厚くするための増税とか年金減額とか言った反対する人多いでしょ。。2025/04/05
海
2
本当は親とも連絡は取れるんだけど、親が子どもに興味がなくて育てられないから施設で暮らさざるを得なかった子どもたちの話。タイトル通り親はいないものと思って割り切っているように見えてもなかなか割り切れない葛藤した様子がどの子にも見てとれるのが切ない。2013/03/21
アルパカ(くれほ)
0
最終章で筆者が見たスイスの少年院や自立施設の話が1番心に残った。日本の小中学校も、子供の権利について子どもたちが学ぶ時間を設けなくてはいけないと思う。いのちだいじに。2012/09/12
youxi
0
家庭環境を乗り越えてどう生きるべきか、考えさせられました2008/07/31