目次
第1章 靖国問題の本質(高橋哲哉×田中伸尚)(靖国神社国有化への動き;自民党の「信教の自由」改憲案;A級戦犯論争の問題点 ほか)
第2章 返せこの手に/還我祖霊(田中伸尚)(なぜ無断合祀がなされるのか;戦争を支えた合祀を問う;戦没した旧皇族合祀と「伝統」の差 ほか)
第3章 最も危険なシナリオ―軍と国営靖国神社の復活に反対する(高橋哲哉)(憲法の原則か、天皇の言葉か;天皇の戦争責任を忘却させるメカニズム;靖国国営化へのシナリオ ほか)
感想・レビュー
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SK
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276*高橋哲哉氏と田中伸尚氏による対談などを収録。「A級戦犯合祀に昭和天皇が不快感を示した」とされる「冨田メモ」が公開された直後。賛成派も反対派も、天皇の言葉を錦の御旗にすることにより、天皇自身の戦争責任があいまいにされる問題点などを指摘。また、遺族の同意なき合意こそ問題の中心であり、人権問題であるとする。2016/10/24
ハンギ
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60ページという薄くて廉価なブックレット。哲学者の高橋哲哉さんと著述業の田中伸尚さんのそれぞれ文章と対談を収めている。この冊子が出版された2006年というのは衝撃の年でもあって、昭和天皇が靖国参拝を途中からやめたのはA級戦犯が合祀されたからというメモ書きが発見されたからだ。その流れを受けて出版されたがその問題にとどまらず、靖国の問題を展開している。靖国に戦没者が祀られるのは、厚生省による強制的なものであり、国が積極的に特定の宗教法人に個人情報を横流ししている仕組みだが、確かに問題だと思う。2011/10/23