内容説明
強権の横暴。不平等社会。そして戦争への足音。「人間排除の時代」に抗がう人びとの魂の尊厳を記録する、闘うルポルタージュ。
目次
上野オートバイ街の労働争議―前近代ワンマン経営を許さない
千葉・一六歳少女殺害事件―多重債務からの逃亡、そして偽装結婚を繰り返して破綻
都教委の再雇用拒否事件―友人たちに支えられ法廷で名誉回復を訴える
汐留シオサイトの舞台裏―国有地に群がった大企業の欲望
新宿ホームレスたちの越冬―一泊五万円を超すホテルそばの公園で暮らす人々
山谷、出稼ぎ労働者の街―大手ゼネコンを支える暴力団経営の飯場
北海道・恵庭殺人事件の謎―物的証拠も動機もなしで有罪判決
都立板橋高校における「君が代」強制の現場―卒業式出席者が明かす都教委の事実捏造
JRによる一〇四七人の採用差別から一八年―党派や労組の壁を超えた支援行動
山梨県の暴力飯場事件―日雇い労働者の悲劇とフリーターたちの運命〔ほか〕
著者等紹介
鎌田慧[カマタサトシ]
1938年青森県生まれ。ルポライター。早稲田大学文学部卒。新聞、雑誌記者を経てフリー・ジャーナリストに。「現場の目線」で巨大な権力を批判するルポルタージュで知られる。著書に、『反骨―鈴木東民の生涯』(講談社、新田次郎文学賞)、『六ヵ所村の記録』(岩波書店、毎日出版文化賞)など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
penguin
0
図書館。沖縄についての項が多く、基地問題の根深さを感じます。左右の思想関係なく報道(新聞やTV)ではあまり取り上げられない、市井の声を丹念に拾っているレポート。、何がか歪んでいる「現場」がこれほどまで多いとは、正直驚きました。国家賠償裁判が被告の声を聞かないという現実に、国の非情さと「痛み」を知らない怖さを感じます。権力はそういうモノなのかも知れませんが、何の為に国があるのかと考えさせれられもしました。しかし、歪みは中央から見えない場所に作られるんですね...。2010/12/04
カネコ
0
◎2010/07/24