内容説明
本書は明治・大正期において、さまざまな文章によって子どもが戦争をどのように間接体験したかということをたどるものである。
目次
はじめに 昭和期、ふたりの母親
1 日清戦争と「時局お伽噺」―巌谷小波と博文館文化
2 国家の戦争観への追随―「日本お伽噺」と「日本歴史譚」
3 だれがラッパを吹いたのか―国定教科書の「忠君愛国」
4 侵略のナショナリズム―押川春浪の「武侠」の変質
5 広瀬中佐と橘中佐―日露戦争の軍神像
6 母親の「滅私奉公」―「水兵の母」「一太郎やあい」の場合
7 太平洋の波高し―さまざまな「日米未来戦」物語
8 野薔薇は枯れた―抽象的な戦争否定童話
おわりに 全面的な戦争体制―「講談社の絵本」と日中戦争