出版社内容情報
アメリカで行われている少年たちによる少年のための裁判を紹介するとともに、近い将来、この制度をわが国に導入することも視野に入れて分析し、可能性を探る初の書。
第1章 ティーンコートとは何か?
アメリカ合衆国におけるティーンコートプログラムの普及……トレーシー・M・ゴッドウィン
ティーンコートと法律関連教育……ポーラ・A・ネッセル
第2章 わが国の少年司法はティーンコートから何を学ぶべきか?
わが国の少年司法の現状から見たティーンコート導入の可能性……山口直也
ティーンコートから学ぶわが国の少年非行対応策……山口直也
第3章 意見集――私たちはティーンコートをこう見る
ティーンコートと陪審制度―アメリカの少年と陪審―……四宮 啓
ティーンコートにおけるエンパワメントについて……砂川真澄
自治能力養成の場としてのティーンコートプログラム―発達権行使の機会の保障―……中田康彦
子どもおよび家族の自律性とティーンコート……山口亮子
第4章 ティーンコート見聞録
テキサス州フォートワース市のティーンコート……有本美幸
ケンタッキー州ジェファーソン郡のティーンコート……山口直也
カリフォルニア州カラバサス市のティーンコート……山口直也
第5章 資料集
資料1:ティーンコート運営上のマニュアル集
資料2:ティーンコートで使用さ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
1
少年更正の一環としてのティーンコート、そこでは検事、弁護士、陪審員、時に裁判官もを少年が担当する。同輩に裁かれることで責任を自覚し更正させるだけでなく、司法教育の一環でもある。1999年に発行されたので専門的な人材が不足しているとあったが、ロースクール改革でその不足も改善されたのではないか。2014/03/25
harady
0
ティーンコートには色々なパターンがあるのだけど、概ね共通しているのは、非行少年に対する更生プログラムの一種であるということ、非行少年の裁判を主に同年代の少年が行うことであるといえそうだ。面白いと思ったのは、非行少年に対する処分として、ティーンコートの陪審員になる義務を課すというもの。更生の途中で、もう一度現実の非行と向き合って、他人の処分を考えるというのは大人にとっても結構困難なのではないかと思うんだけど、それだけに義務を果たすことで得られるものは大きいんじゃないかと思いました。2011/10/27