内容説明
何が書かれ、何が書かれていないか―。無数の本によって造られた「太平洋戦争」のイメージ。この「神話」を読み解く新しい書誌学のテキスト。戦後五十年の間に公刊された日本陸軍モノは二千点くらいです。本書ではこの中から定評のある本、独自の観点を持つ本、頻繁に引用される本を選び出し、その本の写真に内容解説を加えて、日本陸軍戦史・戦記カタログとしました。本書は書評でも要約でもありません。それぞれの本の特徴的な部分をつとめて抽出し、一部の本についてはその成立過程を解説しました。本書は日本陸軍に興味を持つ人たちの今後の読書の指針またはコレクションのガイドブックとして役立つでしょう。
目次
第1章 総合戦史を読む
第2章 日本陸軍の大要を読む
第3章 個別戦記を読む
第4章 兵科・戦術を読む
第5章 米英側から読む
第6章 軍閥・軍人を読む
第7章 支那事変を読む
第8章 陸軍航空を読む
第9章 陸軍兵器を読む
第10章 海軍その他を読む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
13
戦後出版された日本陸軍関連の名著、基本書をリストアップして内容や成立過程を解説した、大変な労作。日本陸軍モノとは言うものの、実際には海軍モノも少しだけ触れられていて、ミリタリー分野で数少ない傑作ブックガイドになっている。性質上非売品のものや洋書多く、すべて読みきるのは至難の業だが、一般には知られていない膨大な戦記から定評あるものを見事に選んでくれていて、まさしく指針足りうる一冊である。さすがに知らない本が多かったので、読みたい本リストがまた阿呆みたいに埋ってしまった2014/06/11
VC
3
こんな本を読んだらこういうことが分かるんじゃないかな、ということが書いてある。少々入手しづらい本もあるので全部読むには国会図書館の世話になりそう。2012/11/26