感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばさし
3
勉強がてらと思い学ぶ気持ちで読む。今まで大概芸術、美術の視点からしか見ていなかったのが、新しい観点を開け読んでよかった一冊。特に脚注なしに専門的な用語も結構出てくるが、あまりにもマニアック過ぎる記述などはないし、作者は医学の人物であるが芸術に関する審美眼も持っているようなのでミケランジェロの彫刻作品に対し現実的すぎるなじり方などもせず尊重しているので安心して誰でも手に取れる本。2013/04/23
tuppo
2
サン・ピエトロ大聖堂のピエタ。キリストは死んでいるのか?死んでいるはずのキリストに温かい血の通ったものが持つ生存兆候を見出すことは容易である。左の頸部をかすかな湾曲を描きながら斜走する胸鎖乳突筋、見事に表現された静脈、……解剖学的に彫像を検証するって発想がたのしい。生存兆候に満ちた死体という造形2017/02/02
ひなた
2
★5 サン・ピエトロ大聖堂ピエタ像のキリストは死んでいるのか?センセーショナルな問題提起から始まる本書は、一風変わった「ミケランジェロ案内」である。医学的見地から見ると浮き出た静脈や筋収縮の状態から、死んではいないはずなのだという。これは理解上の誤謬なのか。否、筆者はここにこそ彫刻家の精神性を見出す。目に見えるリアルと芸術家の思う「事の本質」は違う。その普遍性を追う過程は、ミケランジェロのマニエリスムへの過程のようでもある。筋肉や骨格という外面的な要素を通して、彫刻家の内面に触れる興味深い一冊。2015/07/10
Y
1
医学的に彫刻をみるのはおもしろい。2016/03/20