内容説明
耐える、走る、生きるために!絶望的状況を突き抜けて逃れた「囚人番号6804」が語る死の工場の実態。ナチス犠牲者の「天命」として終わりなき抵抗を語り続けて…21世紀の平和を希求する。そこに示される私たちの課題―。
目次
第1部 囚人番号6804の語るアウシュヴィッツの記憶
第2部 世界史における特別な場所として
質疑応答
解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
12
コヴァルチク氏はポーランド人。対ナチスドイツ抵抗組織に加わろうとして捕らえられ、アウシュヴィッツに送られた。一般市民との接触が発覚し、懲罰労働班に入れられ、死刑に処せられるのを待つくらいならと仲間と脱出をはかり、辛くも逃げおおせた。俳優や劇場監督として活躍後、世界中で体験を講演された。本書発行時点で、6千回を優に越えるという。本書は同氏の日本での講演記録。元俳優ということで、おそらく生の講演は訴えかけるものであったと推測する。同氏を招いたNPO、アウシュヴィッツ平和博物館(福島県白河市)は一度訪れたい。2018/04/29
I am
3
収監されていて脱走したひとたちの証言は淡々としていて短くて、うまく言えないけどドラマティックでもない、なのに泣いてしまった。我慢したけど、あまりに生々しくて怖くてじぶんだったらと想像したら怖くてたまらない。知ってたことばかりだけれど、生の証言にはぐさっときた。2010/08/05
Wisteria
1
コヴァルチク氏の来日講演をまとめたものである。感情を込めてお話される方のようだが、あくまで読んだ印象ではああだったこうだったと淡々としている。悲惨な印象はそれ程受けなかった。第一章が若者向け、第二章が一般向けだそうだが、大元は同じ体験談なので、形を変えて同じ話を二度読まされている事になる。少しだれたが、新しく知る事も多く、有意義だった。2014/12/10
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- 和書
- 深層生活 ハヤカワ文庫