内容説明
9さいになったくらがびょう気になりました。文治が神さまにおねがいすると、神さまからお知らせがありました。『今度はどうなってもよいと思って、心ぱいせずに、しごとにせいを出せ。』お知らせどおりに文治と奥さんははたけでしごとをし、昼からは家でしごとをしようと、お昼に家に帰りました。奥さんがくらを見にいきますと、くらはぐったりしています。「くらが死にそうです。早く神さまにおねがいしてください。」奥さんはすがるように文治にたのみました。文治はすぐに神さまにおねがいしました。空がうつくしい夕やけ空になったころ、くらは元気になりました。今までに文治が神さまにおねがいしたことは自分のねがいだけでした。きょうはじめて自分いがいの人のことを神さまにおねがいして、その人がたすかったのです。文治大明神という神さまからもらった名前が、金子大明神とかわりました。文治という人間の名前がなくなり、文治の心はいっそう神さまと一つになりました。
著者等紹介
長野ひろかず[ナガノヒロカズ]
1932年大阪市生まれ。大阪市立天王寺美術研究所、日本通信美術学園指導部長を経て絵本作家に。創造展受賞
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