内容説明
崩れ去っていく美しいロシア、時代の波に押し流されていく異郷のロシア人の姿を、美しい旋律を奏でる物語が包み込む。失われゆくものの残像を永遠に刻み込む円熟期の中短編集。作家自信が愛した作品集。『暗い並木道』からも精選したブーニン文学の到達点。
著者等紹介
ブーニン,イワン・アレクセーエヴィチ[ブーニン,イワンアレクセーエヴィチ][Бунин,Иван Алексеевич]
1870‐1953。中部ロシアの貴族の家系に生まれ、ほとんど独学で作家となる。貴族社会の崩壊や農村の荒廃を描く中短編小説でチェーホフの後継作家とも目されて高く評価され、豊かで美しいロシア語の伝統を引き継ぐ作品を生みだしていったが、ロシア革命による社会の激変をまのあたりにし、祖国を去ってフランスに渡った。その後、ナボコフの一世代上の亡命作家を代表する存在として独自の作品世界を作りあげ、1933年にロシア人で最初のノーベル文学賞作家となった
岩本和久[イワモトカズヒサ]
専門は現代ロシア文学。現在、稚内北星学園大学情報メディア学部助教授
吉岡ゆき[ヨシオカユキ]
通訳・翻訳家
橋本早苗[ハシモトサナエ]
翻訳家
田辺佐保子[タナベサホコ]
翻訳家。現在、成蹊大学などで講師
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