感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
12
本書は韻文小説です。一節(弱強四脚韻律)は十四行で、最初の四行は交代韻(AbAb)、順に連韻(CCdd)、抱擁韻(EffE)、最後の二行は連韻(gg)となります。構成は順にテーマ、展開、頂点、結び(警句、箴言)です。日本語の韻文性は七音節+五音節の組み合わせを基本とした音節詩句、音数律に基づくそうです。翻訳者によると韻文訳は散文小説のように流し読みすべきではなく、一字一句味読してこそ鑑賞できる。ナボコフは本書を無韻訳した。訳者あとがき(代筆)を先に読むべきだったかも知れない。音読したら何かが掴めたのかな。2018/04/10
てれまこし
5
若い頃、自分はロック音楽に凝ったが、理由の一つは、自分の心のなかのざわめきを分かりやすい言葉で小気味よく吐き出してくれるからだった。今となっては、独りよがりの感傷やナイーブな理想で充ちていて恥ずかしいものもあるが、学校で習った国語では表現できない新鮮なものだった。プーシキンもまたそんな感じで当時の若者には読まれたんじゃないだろか。今となっては自分も歳をとったし、若者の感傷で商売する大人が増えて時代も不感症になった。でも、社会が変わるのは、遊びに飽いた娘・息子たちの関心が広い世界に向いたときだとも思ってる。2019/02/03
S-T
1
ナボコフ注釈本が四巻本というのに驚く。長過ぎ。2009/09/10