群像社ライブラリー<br> オデッサ物語

群像社ライブラリー
オデッサ物語

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784905821403
  • NDC分類 983
  • Cコード C0397

内容説明

黒海沿岸の国際都市オデッサのユダヤ人街を舞台に偉大なギャングたちの伝説「オデッサ物語」を作り上げ、1920年代以後ロシアで熱狂的な人気を博した短篇作家バーベリ。簡潔な文体と存在感の凝縮した瞬間をとらえる技法は、ユダヤ人虐殺の最中に流される鳩の血の鮮烈なシーンで始まる自伝的作品群でも遺憾なく発揮される。太陽の光あふれる街オデッサから生まれたバーベリの文学は、ユダヤ人作家の枠を越えジョイスやニーチェにも共通する世界として今なお高い評価を得ている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

107
全く知らなかったのだが、作者のバーベリは世界的に有名なロシアの作家。主に短編が評価されているそうだ。こんなすごい作家がいたのかと興奮しながら読んでいた。非常に個性的な作風だ。リアリズムの中に幻想が溶け込んでいる。更にユダヤ人としての苦しみが行間から伝わってくる。ユダヤの伝説や民話も物語の背景として感じられて、短編であっても、長編並の奥行きを感じた。異国で迫害されながら生きるユダヤ人の内面が鮮やかに伝わって来る物語が多くて、いろいろなことを考えさせる。(続きます)2018/02/08

燃えつきた棒

36
あまりにも暗い感想になってしまったので、「ネタバレ」とした上で夜の闇の中へ流そうと思います。/ イサーク・バーベリは、一八九四年、オデッサのユダヤ商人の子として生まれ、『騎兵隊』、『オデッサ物語』などの作品を残しました。 一九二〇年代後半から、「ブルジョア人道主義」「個人主義的な作風」を攻撃されますが、最後までソ連への信頼と希望を失いませんでした。 そんなバーベリですが、三九年に連行され、四〇年に銃殺刑に処せられています。 単にソ連の作家ということなら、ロシアのウクライナ侵攻以来、ロシアの作家は→2025/04/06

いくら丼

11
うう、ううぅ、なんだかさっぱり理解できなかった。鳩は悲しみで泣きそうになったし、植物や鳥の名前を知る必要性を強く感じたが、それまでだ……何がなんだかわからないうちに、何故だか酷い目にあっている。読み進めるのに必死だったから、最初と最後でだいぶ作風が変わっているのも、解説読みつつパラパラ見返すまで、いまいち認識できていなかった。ユダヤのポグロムの話は、存在こそ知っていてもピンときていなかったし、ましてモルダヴァンカの生活に革命が絡めば、さっぱり……だから糧にはなったはずだ。無知すぎて怖い。少し掘り下げたい。2024/02/09

とまと

7
おすすめ!黒海沿岸の国際都市オデッサのユダヤ人街を舞台にしたギャングたちの物語「オデッサ物語」、ポグロムを鮮烈に描いた自伝的作品「私の鳩小屋の話」などを収録。二つの作品は文体も全く異なり、そういう面でも楽しめるし、今の私はまだ言葉には表せないが衝撃を受けました。2012年間ランキングにランクイン決定です。一読の価値あり。イディッシュ文学とオデッサを舞台にした小説をいくつか読んでみようっと。2012/09/25

relaxopenenjoy

6
世界100物語より知ったバーベリの読みたい登録消化。現ウクライナの、黒海に面した港町オデッサ。オデッサのモルダヴァンカ地区(ユダヤ人が多く住む貧民街)のギャングの物語、自伝的小説の連作短篇集。嗚呼なんて人間味に溢れるんだろう!鮮烈なイメージが脳裏に浮かぶよう。10歳で経験したポグロム、空想好きで繊細な、アカシアとライラックしか植物の名を知らなかった、少年時代の話が特に良かった。バーベリは1939年に粛清の犠牲になり翌年銃殺されたそう。惜しい。バーベリの他の作品も読んでみたい。2020/10/19

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