感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
9
イスカンデルの名前を知っている方がいるとすればそれは『チェゲムのサンドロおじさん』の読者ではないか。そして、アブハジアという国には剽軽な作家がいるということを身をもって知ったことだと思う。本作は彼の自伝的なエッセイ、あるいは物語集となっている。いずれも非常に素晴らしい内容で、卑劣さ、臆病さという人間の弱さに関わる部分を自分自身の経験としてユーモアたっぷりに綴っている。そして同時に彼は、人間は悲観主義から生まれる楽観主義を持ちえるということを強く主張する。意想外に出会った、充実した一冊だった。2014/06/04
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