目次
密教の加持力とは何か
私の修行
祈祷は本当に効くのか
願望のご利益を解剖する
密教の正門
実修上の基本知識
加持祈祷を実修してみる
難病を救った快癒実例
現世利益は生きている
霊魂説について
怨恨説について(特別参考資料)
俗信について
現代科学と奇蹟
著者等紹介
織田隆弘[オダリュウコウ]
大正3年2月青森県弘前市の商家に生れる。年少より母親の感化を受けて神仏に対する信仰を深め、長ずるにいたって僧侶を志す。20歳の時、高野山に上り得度、修行に励む。修行約6年にして京都に至り研修を重ねる。昭和16年9月汐干観音を祀る東京四谷の金鶏山真成院の住職となる。昭和20年5月戦災にて真成院の堂宇全焼する。昭和22年青森市に高野山別院を創建するとともに、社会福祉事業に活躍する。昭和47年6月真成院の綜合堂宇の新しい寺院様式による「四谷霊廟」(鉄筋千百坪)を建立する。道場を併設。昭和49年高野山に於て学修潅頂入壇伝灯大阿闍梨の位を受ける。昭和56年秋青森に青龍寺を建立。昭和59年秋日本一の青銅大日如来「昭和大仏」を建立。在家の為の正純密教易行道を提唱し密門会を主宰。加持施法、講演・講習会を開き各地で布教活動をする。平成4年、青龍寺金堂建立。五重塔建立発願(平成8年10月落慶)。平成5年12月31日遷化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
74
《瑜伽加持すれば遠近を問わず行者と如来と病者は一体になる》と、仏と一体になることを説き、霊能力を外道と戒めながら、その外道が人の運命に関わっていく話を多数紹介しているのはなぜか。それらを読むと、欲を離れた信仰が至難の業だとわかる。きれいごとでなく生臭い信仰の実態をこれほど率直に書いた宗教書は珍しいのではないか。これは自力信仰の危うさを訴えるためでもあるが、欲が信仰を揺さぶり、懺悔心が前に進め、本当の信心に至らせる仏の力を示しているのだと思う。だからこそ《真言に始まり、真言に終わる》という言葉が重みを持つ。2018/11/20
トリオネア
2
密教祈祷と言うと立川流の様なヤバい作法が盛沢山の本かと思いきや、現在も東京にある高野山真言宗四谷霊廟の先代お坊さんの有難いお話。近年は天台宗や神社本庁傘下が日本会議に所属し、皮はそのままに内部から生長の家の様な新興宗教に成り下がっていて拝金主義・数に物を言わせ本来の教えや純粋な信仰心から遠ざかっている事を軽蔑してしまうが、この本では発行された昭和50年頃の宗教観が読めて興味深かった。イタコが信用に足るかの話などもその通りだと思う。2018/12/30