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内容説明
人をかどわかす未知の存在に挑んだ井上円了と、失われつつある民俗を守ろうとした柳田国男。二つの妖怪学を比較しながら、いまなお妖怪を愛する日本人の国民性を探る!
目次
第1章 妖怪博士―井上円了(妖怪博士の生涯;哲学館の創立と「妖怪学」講義;妖怪学とはなにか)
第2章 民俗学の創始―柳田国男(民俗学の柳田国男;柳田国男の妖怪学)
第3章 日本人はなぜ妖怪が好きなのか(「信じているもの」とは;妖怪を消極的に認める国民性)
著者等紹介
三浦節夫[ミウラセツオ]
1952年生まれ。東洋大学大学院博士後期課程修了。東洋大学ライフデザイン学部教授・井上円了記念学術センター研究員。専門は宗教社会学、井上円了研究、東洋大学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ア
1
円了vs柳田的構図で、前者は妖怪否定・後者は妖怪肯定とするイメージがある。けど、円了の妖怪学が「虚怪」と「実怪」という分類を採用していたことをかんがえると、彼の学問が超自然的なものの実在を内包していたことが分かる。霊魂不滅論者として日露戦争期に中江兆民とバトっていた印象が強いので、こういうところは「護国愛理」のうち「護国」と「愛理」のどちらでやっているんだろうとは思う。どっちもでは、と思うが。2019/09/23
ジャズクラ本
1
○2019/03/02
川上
0
多分かなり簡潔にまとめているのだろう、拠って気楽に読める。妖怪とは、と言い出すとキリがないので、まあ日本人の心の根源みたいなもんなんでしょう。要所要所に語りが挿入されていていいアクセントになってます。 今日の文明は有形上器械的の進歩にして、無形上精神的の発達にあらず、と100年前に言うとりますが、精神は発達するどころが著しく病み、そして退化しておる次第なのでした。金と欲に蝕まれとりますなぁ。2015/05/30
郁丸
0
「妖怪博士」といわれる井上円了先生が、なぜ妖怪研究をするに至ったか、妖怪研究が目指すものは何だったのか、円了先生が目指したものは…簡潔にまとめられています。また、円了先生の研究と対局する柳田國男先生の思想がわかり、興味深い一冊でした。2014/10/18
星のソムリエ
0
ほぼ同年代に「妖怪」に関わる考察をした二人。タイトルに「と」ありますが、先の井上の方に重きを置いた書になっています。井上先生は、実は私の出身校と関わりのある方で、これまであまり知ることのなかった生涯を知ることができて、本書の意味と違った視点で読ませていただきました。もっとも、「妖怪学」に関してはあまり解説がなかったので、もっと二人の考え方の違いを考察して欲しかった。2014/01/26