内容説明
戦争を知らない児童文学作家と戦争をよく知る漫画家とが合作。戦争を語り継ぐための絵本シリーズ。テーマは「おと・におい・ひかり」。本作が描くのは、最愛の息子を戦地へ送り出した母親。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師を経て、1991年、『ほたる館物語』(新日本出版社)で作家デビュー。『バッテリー』(教育画劇)で野間児童文学賞を受賞。現在も岡山に拠点をおき、児童文学作品のほか、ヤングアダルト、時代小説、一般小説と、幅広い分野の第一線で活躍を続ける。日本児童文学者協会会員、同人誌「季節風」代表
古谷三敏[フルヤミツトシ]
1936年満州・奉天生まれ。1955年年少女漫画でデビュー。手塚治虫、赤塚不二夫のアシスタントを経て少女誌を中心に活躍。1970年発表の「ダメおやじ」で一躍注目をあび、1978年、小学館漫画賞少年少女部門受賞。1998年文化庁メデイア芸術祭第1回マンガ部門大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
65
いつもやさしいおばあちゃん。大好きなおばあちゃん。でもおばあちゃんは心の中に悔いを抱えていた。大事な息子を戦争に送り出したこと。「人を殺したくない、殺されたくない」と嫌がっていた息子を「お国のためだから」と、バンザイバンザイとみんなで送り出した。息子は戦地に出向いたきり帰ってこなかった。そんな時代だった。召集令状が来て拒否すれば「非国民」とののしられ、生きて行くこともできなかっただろう。同じ過ちを繰り返すことのない平和な時代が続きますように。2016/05/01
あおい
13
「お国のために、立派に死んできなさい」と言って息子を戦争に送り出したことをずっと後悔していたおばあちゃん。そういう時代だった。2度と戦争を起こしてはならない。こんな思いをする母親をつくってはならないと強く思う。2023/08/02
遠い日
13
真っ向からの戦争批判。そして、送り出さざるを得なかった息子への後悔と自責。おばあちゃんの苦しみは、全ての、戦争に息子を送り出した母たちのもの。巻末の解説&問題提起、なんだか胸が痛いです。2016/07/21
どあら
10
図書館で借りて読了。戦争は辛い思い出しかないって、祖母も言っていました(-_-;)2016/07/09
ヒラP@ehon.gohon
10
嫌がる息子を戦争に行かせて、死なせてしまったおばあさんの後悔。 あさのあつこさんの話が、ちょっとパターン的なのが残念ですが、伝わってくるものはありました。 戦争を知らない世代には、やはり体験者の肉声が何よりも伝わってくると思います。 ただ、誰も人殺しにも被害者にもなりたく無いはずです。 巻末の解説も含めて、嵐の予感がしてきました。2016/06/30