内容説明
1972年、田中角栄によって実現した日中国交正常化。“99%までは、佐藤栄作の手で解決済みであった―”謎の言葉を残して戦後史の闇に消えた、密使・江鬮眞比古の実像に迫る!
目次
第1章 江鬮眞比古の手記
第2章 戦前・戦後の江鬮の足跡
第3章 萬煕と中川太郎―江鬮の中国人脈
第4章 中国国連加盟の裏側で始まった交渉
第5章 周恩来への親書を託した人物―「葉桐春」と「黄志文」の謎
第6章 最後に残された条件“日華平和条約の破棄”
第7章 次期政権をめぐる政局―親書をためらう佐藤
第8章 膠着状態のなかで
第9章 極秘交渉の結末
終章 残された疑問
エピローグ 江鬮眞比古とは何者だったのか
著者等紹介
宮川徹志[ミヤガワテツジ]
1970年生まれ。NHKチーフ・ディレクター。1993年に東京大学法学部卒業後、NHK入局。NHKスペシャルなどの報道番組を制作。主な番組は「密使 若泉敬―沖縄返還の代償」(2010年文化庁芸術祭テレビ部門大賞受賞)、「巨大津波“いのち”をどう守るのか」(2012年アメリカ・ピーボディ賞、橋田賞など受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
18
著者はNHKチーフディレクター。佐藤栄作が中国との国交正常化に向け水面下で交渉をしてきた顛末。数年前NHKBSで本書の基になる番組を見た際は、密使を務めた"エグチ眞比古"は得体のしれない人物との印象だったが、本書では放送後に判明した事実なども含めて改めその人物像に迫っており、特に戦前のユダヤ人救済に関わった可能性など、興味深い点も多々あった。◇元佐藤総理秘書官の西垣昭氏の証言が随所に出る。佐藤から「俺が死んでもこのことは言うな」と言われていたようだが、やはり墓場まで持って行きたくはなかったのだろう。2021/01/21
ゆきんこ
0
佐藤栄作政権時における江鬮眞比古に焦点を当てた本。これが案外面白い。2021/06/11
ゆきんこ
0
曰く、田中内閣発足時には既に国交正常化の99%が完成していた。2021/02/18