内容説明
国会の本質は何か。その実像は―。仕組み、由来から他国との比較まで詳述。国会から読み解く日本の政治。
目次
第1章 統治上の意思決定をするのは誰か
第2章 政治とは何か
第3章 議会の歴史
第4章 国会議事堂
第5章 議員
第6章 国会役員
第7章 会期及び国会開会頭初のイベント
第8章 議案等の審議、国政調査
第9章 内閣との関係
第10章 会派
第11章 事務総長と事務局
著者等紹介
向大野新治[ムコオオノシンジ]
衆議院事務総長。1956年生まれ。1981年東京大学法学部卒業、衆議院事務局入局。裁判官訴追委員会事務局長、委員部長、庶務部長、議事部長、管理部長、警務部長、憲政記念館長、事務次長等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒロキです
17
学校の指定教科書の為拝読。 著者は衆議院議長ということであるが、非常に理論的に、そして政党色少なく(自民党所属、やや色はもちろんあるが)説明されていて海外との比較もあり、バラエティある知識で政党、国会について論じられていた。国会は議案通過の為の儀式でしかないこと、党首討論の無意味さ、討論をせず質疑で行う日本の政治運営、日本は党議拘束が非常に強い理由、成り立ちについて学習できた。ただ、あまりに文章が無味乾燥していて読んでいて退屈で頭に入ってこないことも多々あった。いつかまた読めればと思う。2020/06/14
のん
2
東京大学卒業後に衆議院議会事務局に就職し、衆議院事務総長まで務めた向大野新治氏の著作。議会学というタイトルからガチガチの学術書かと思いきや、小話集という印象を受けた。あまり聞いたことのない面白い話も多く(永年在職表彰の際に飾られる肖像画の話など)、私は買って損をしたとは思わないが、「学」というタイトルに惹かれて買ってしまうと期待外れに感じると思う。とはいえ、事務総長まで務め上げた人の本なので読んで損はないと思う。2024/09/13
siomin
2
衆議院事務総長による議会論。はじめはなぜ政治が行われるのかなど理屈っぽい話で骨が折れたが,だんだん国会の豆知識がちりばめられてくると,読んで面白くなってきた。今ある国会のシステムは,帝国議会からも含めて改革されたものの上に立っているのがわかります。イギリスやアメリカなど海外の国会の話も載っているのも興味深い。しかし,国会で除名処分を受けた例として紹介された小川友三は,議員バッジを何度も紛失したうえでたくさん入手し,そのバッジを取り巻きに渡していたらしい。一体何をやりたかったのか。2022/03/17
HYdaniel
1
現職の衆議院事務総長が書いた本で、内容は網羅的かつ淡々としているのですが……議会の役割に関する従来的な理想論(或いはそれに基づく憲法解釈)をあっさりと退けている部分があり、結構驚きました。例えば筆者は、首相が権力闘争のために解散権を行使することに好意的な解釈をとっています。容認というよりもむしろ積極的役割を見出している。また、現在の議会のルールが帝国議会時代からの様々な試行錯誤や慣習によって出来上がっていることもわかります。良い悪いは別として、これが日本の議会運営の現状なのだと思い知らされる本でした。2018/06/09
しろくま12
0
さすが実務家で、なかなかリアリスティックな議会への分析。国会の役割が理想論的に語られる。実際にはかなり弾力的に議会が運用されていることが分かった。世界では、我が国の国会がかなり特殊なのを実感。最高機関である国会であるが、そこに多くを求めてはいけない。議院内閣制であるならば、やはり立法府の在り方は行政府との関わりで議論されなければならない。2020/04/20