内容説明
アメリカは安保改定にどう向き合ったのか。アイゼンハワー政権の海外基地政策のなかに安保改定問題を位置づけ、アジア太平洋を視野に入れながら日米交渉の論点を再検討する。
目次
序論(課題と視角;アイゼンハワー政権の冷戦戦略 ほか)
第1章 極東米軍再編と在日・在沖米軍基地(朝鮮戦争休戦と極東米軍再編計画;ジュネーヴ休戦協定と第一次台湾海峡危機 ほか)
第2章 米国の海外基地政策の展開(アイゼンハワー政権における基地協定の再検討;日米両政府による安保改定検討 ほか)
第3章 ナッシュ・レポートから改定交渉へ(ナッシュ・レポート;スプートニク・ショックに対する日本の反応 ほか)
第4章 安保改定交渉の帰結(安保改定交渉の流れ;新安保条約の沖縄への適用 ほか)
結論(アイゼンハワー政権の海外基地政策;安保改定の代償 ほか)
著者等紹介
山本章子[ヤマモトアキコ]
1979年北海道生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。第一法規編集者を経て、沖縄国際大学非常勤講師および同大学沖縄法政研究所特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
3
内容も理路整然となっていて分かりやすい。それにしても戦に負けるとこうも惨めなくにに落ちるんだね、情け無い2022/06/29
かじやん0514
3
面白かった。今後の課題(米国の基地を受け入れ国別に比較検討する)など、問題意識は良い。日米安保体制のこれまでの評価と今後について、著者の考えを聞きたくなった。2018/06/10
省事
0
米軍部にフォーカスした安保改定研究。一方的な駐軍協定だった旧安保条約から一応の双務的条約に変化することの一番影響を受けるのは米軍部だったが、北東アジアから台湾・東南アジアシフトへと米軍部の関心と配置が変化していたこと、また北東アジアに唯一の残された非常事態としての朝鮮半島有事に対応するべく事前協議に関する密約が準備されたことで、改定可能な条件が整備されたと評価する。論点がクリアで興味深い。2017/09/24