内容説明
野党時代の核放棄の訴えはレトリックだったのか?政権獲得後に打ち出した大西洋核戦力構想をつぶさに観察しながらウィルソンが直面していた外交・防衛政策の課題をも浮かび上がらせる。
目次
第1章 アメリカに依存した「自立」の確立―1940年4月~1962年10月
第2章 保守党政権の「自立」をめぐる混迷―1962年11月~1964年6月
第3章 野党労働党の「自立」への反発―1951年10月~1964年10月
第4章 外務省と国防省の「自立」をめぐる対立―1964年7月~10月
第5章 ANF構想の立案と「自立」をめぐる攻防―1964年10月~11月
第6章 ANF構想の決定と「自立」の決着―1964年11月~12月
著者等紹介
小川健一[オガワケンイチ]
防衛大学校防衛学教育学群准教授。1969年兵庫県神戸市生まれ。防衛大学校国際関係学科卒業後、陸上自衛隊入隊。筑波大学大学院地域研究研究科修士課程修了、防衛大学校総合安全保障研究科前期課程修了、防衛大学校総合安全保障研究科後期課程修了。博士(安全保障)。専攻は、ヨーロッパ安全保障、ヨーロッパ国際政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わび
1
第一次ウィルソン政権が発表した大西洋核戦力構想(ANF)の背景、政策立案過程に関する研究書。当該政権期までのイギリスの核政策の概観について邦語で知ることができるのも貴重である。この時期の核戦力を巡る問題においても、イギリス外交のいわゆる「三つのサークル」が複雑に絡み合っていることが分かる。また、スエズ以東からの撤退の直前の時期においてもイギリスがインド洋・太平洋で核戦力の国際化を図っていたことは興味深い。2018/06/19
Studies
0
良書2018/04/30
ワッキー提督
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あまり日本では知られていない、60年代とその前後のイギリスの核戦略とそれを巡る政治的動向についての研究2018/04/13