- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 精神医学
- > 虐待・トラウマ・PTSD
内容説明
ユダヤ人一斉検挙の夜、フランス・ボルドーで逮捕された6歳の少年は、ひそかに脱出し生き延びた…
目次
ポンドラ(Pondaurat)
封印された感情
逮捕
シナゴーグ
あきらめない
著者等紹介
シリュルニク,ボリス[シリュルニク,ボリス] [Cyrulnik,Boris]
1937年、フランスのボルドーにてポーランド系ロシア移民の子どもとして生まれる。5歳のときに、ユダヤ人一斉検挙により両親を失う。本人も6歳のときにフランスの警察に逮捕されるが、強制収容所へ移送される寸前のところで逃走する。戦後、経済的に恵まれない環境にもかかわらず、苦学してパリ大学医学部に進学し、念願の精神科医になる。臨床の傍ら、強制収容所から生還したものたちや、途上国の恵まれない子どもたちの支援活動を行う。学術論文以外にも、一般書を多数執筆している
林昌宏[ハヤシマサヒロ]
1965年生まれ。立命館大学経済学部卒業。翻訳家としての多くの話題作を提供(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
70
『憎むのでもなく、許すのでもなく:ユダヤ人一斉検挙の夜』に続く2冊目。シリュルニクが幼年期を過ごしたボルドー、ポンドラの地を訪ねる「自分探しの再訪」記。前作と内容が重なり、追補に相当する。5歳の時にユダヤ人一斉検挙に遭い、両親とあいまいな喪失をし(のちに収容所で煙滅したことがわかる)、自身は生き延びる。トラウマを伴う記憶と自分の傷を「何か別のものに変える」作業としての物語。シリュルニクのいうレジリエンス〔へこたれない精神〕は過去の囚人にならず、未来を見つめられる能力である。2015/11/29
くさてる
13
「憎むのでもなく、許すのでもなく」の露払い的存在としての本なので、先にそちらを読んでいた身としては、最初は少し物足りない感もありました。が、この一冊があってこそさらに踏み込んだ内容を書くことが出来たんだろうな、ということに思い当ると、本の薄さに反比例した重さを感じました。訳者による旅行記も含まれた後書きも良かったです。2015/07/14
とある聖職志願者。
4
戦時中のフランスにおけるユダヤ人迫害から逃げ延び、生き残ったトラウマの権威である精神科医の手記。2016/12/29
さきまるぅ
4
「レジリエンス」について知りたくて図書館で借りたところ、大戦を生き延びたユダヤ人男性の回顧録でした。6歳の男の子が自分の機転でホロコースト行きを免れる様子、終戦までの過酷な生活が淡々と語られていました。穏やかな口調とは裏腹に内容は壮絶。自分の体験として話せるまでに途方もない時間がかかった事に胸が痛みましたが、生き延びた事を自信に変える姿や自分で判断する事の大切さが1番心に残りました。若い頃は怖くて読めなかったジャンル。しかも勘違いしなければ借りなかった。不思議なご縁で出会えて良かった。2015/05/10
PukaPuka
2
「状況を少しでも制御できたことを思い出すと、大きな自信がわいてきた」という勝利の感覚が、筆者がPTSDを発症しなかった大きな要因のようである。被害に遭った時、少しでも抵抗したか否かで予後が変わるということにも合致している。また、事態を否認し忌避するのでなく、理解したいという要望も強かった。あの状況に完全には飲み込まれず、咄嗟の判断で動く俊敏さを持っていたことも大きかったと思う。生き延びるための方策と力を得られる本である。2015/12/22
-
- 電子書籍
- サクラダリセット(2) CAT,GHO…