内容説明
ユニークな国“フランス”を歴史から読み解く1冊。
目次
フランス国民はフランスの存続を望んでいるか
フランスは地理ではない
フランスは思想である
「教会の長女」は堕落したのか
玉座と祭壇―古くからの同盟関係
中央集権と行政組織―フランスの二つの乳房
革命の名声、大革命の失敗
大革命からライックな共和国へ
平等を求める意思
共産主義―フランス的熱狂〔ほか〕
著者等紹介
ヴィノック,ミシェル[ヴィノック,ミシェル] [Winock,Michel]
1937年パリ生まれ。歴史家。近・現代フランス政治史、政治思想史を専門とする、フランスにおけるナショナリズム、反ユダヤ主義、知識人の政治参加の代表的研究者の一人。ソルボンヌ大学卒、高等教員資格(アグレガシオン)取得。高校教員、パリ・ヴァンセンヌ大学助教授を経てパリ政治学院教授を務め、現在は名誉教授。「エスプリ」誌編集委員会委員を務め、スイユ社で歴史書出版に携わった他、「リストワール」誌創刊に参加した
大嶋厚[オオシマアツシ]
1955年東京生まれ。上智大学大学院博士前期課程修了。国際交流基金に勤務し、在ベルギー日本大使館文化担当官などを経て、パリ日本文化会館設立に携わる。その後、国際交流基金海外事務所課長、パリ日本文化会館副館長などを務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フランス近現代史研究の大家ヴィノックが、宗教、教育、官僚、地方、革命、ナポレオン、知識人等の多種多様なテーマからフランスを考察した一冊。フランス史に疎い自分には馴染みのない人物や単語が多数登場して難しい部分もあったが、テーマごとに独立した文章になっており、総じて読みやすかった。ライシテを厳格な政教分離ぐらいにしか認識していなかったが、革命以降のフランスという国の根本に関わる「在り方」なのだなと思いを改めた。原著は2010年に出版されたものだが、パリ同時多発テロ以降の著者の見解を読んでみたくなる本だった。2021/03/01