内容説明
“銀座編”“アメリカ編”に続く“パリ編”登場!!
目次
ギンザ
パリス
著者等紹介
南博[ミナミヒロシ]
ジャズピアニスト。1960年東京都生まれ。東京音楽大学、バークリー音楽大学卒業。1990年代からは、スイス、フランス、ドイツ、デンマークなどに活動の範囲を広げ、ヨーロッパのミュージシャンと交流、ツアーを敢行。国内では自身のグループ「GO THERE」をメインに活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さえきかずひこ
13
美的で端整な演奏で知られるジャズピアニスト南博さんが、音楽修行時代のパリでの日々を綴った一冊。つねにワインかシャンパンを大量に飲みながら暮らし、転がりこんだ家の強いワキガ女とはできてしまい頻繁にセックスをし、悪名高いサン・ドニはコルシカ・マフィアが経営するバーで凄腕ミュージシャンたちと夜毎演奏をし、小金を稼ぐ。それにしても飲みすぎだと思うが、どれだけ呑んだくれても、どこか南さんの視線は沈んでおり、けっして晴れ晴れとせず、それでいて深く冷たく静けさを湛えていて、そこが読んでいてなんだか恐ろしい感じを与えた。2018/12/19
北風
12
銀座、ボストンときてパリ。これほんとかしら(笑)。パリの都で湾岸戦争の頃らしい。30年前か……。それなりにパリを楽しみながらのヒモ生活。言葉が通じないのに度胸があるのは、銀座での下積みがあったからか。しかし、あのラストの急展開はどこまでホントなのかしら!?(2回言った)2024/04/03
qoop
2
古都パリで鮮烈な音楽体験を得るたび、古い皮を脱ぎ捨てて次のステージを目指すかのように物語が移り変わる。魅力的な人物と舞台背景を捨て石にして進み続けるドライブ感は、ジャズ好き以外にも響くことだろう。ただ青春音楽小説の趣だった前半とハードボイルド/ノワール小説の後半という異なる筋を、“凄いミュージシャン”の登場でつなげる力技は決して嫌いではないが、素直に前半の雰囲気で一冊読みたかった。2018/04/12