内容説明
ガード下、闇市跡、花街の名残。昭和の黒幕たちが愛した街。ニュー新橋ビル、スタジオジブリ、謎の壁画、新橋系ナポリタン…新橋には多くの秘密が埋まっている。
目次
第1章 闇市が生き残る街
第2章 オヤジの聖地・ニュー新橋ビルを迷い歩く
第3章 新橋はなぜナポリタンの街となりしか
第4章 三大実話系週刊誌と新橋
第5章 最後のフィクサー
第6章 新橋名物レンタルルームで漏れる嗚咽
第7章 SL広場で交錯する人生
第8章 消えた成人映画会社「東活」
第9章 ガード下の証言
第10章 事件とドラマは新橋で起きる
著者等紹介
本橋信宏[モトハシノブヒロ]
1956年埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。執筆内容はノンフィクション・小説・エッセイ・評論。著書に『全裸監督 村西とおる伝』(太田出版、第39回講談社ノンフィクション賞最終候補作)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
70
港区の現場が多かったので、新橋ではよく飲んだ。よくテレビのインタビューで出てくるSL広場が有名だけど、なんか怪しい街だと思っていた。一章使ってニュー新橋ビルをルポしているけど、宝くじセンター、バイアグラ処方店、雀荘、囲碁将棋、漢方、定食屋、スーツ屋、スッポン専門店、中国マッサージ、占い、金券ショップ、居酒屋、ボクシングジム、40分7300円のファッションヘルス。サラリーマンが愛するものが全部揃っている。こんなビルが一日六十万人で利用者数日本13位の新橋駅から徒歩3分にある。マジで「おやじのオアシス」だな。2023/03/06
vinlandmbit
47
古本屋で購入。新橋について歴史的にもいろいろなものが滞留し、変わるものは一新され変わらぬものはそのままの姿を保ちつつ、、と、書籍柄内容が雑多で読みづらさもありますがそこも含めて参考となりました。2020/01/03
fwhd8325
41
銀座の隣にありながら、対照的に猥雑な印象を持つ。しかし、その猥雑さを敢えて隠そうとしていないところが魅力だと思います。学生時代は、日活ロマンポルノを見に、社会人になってからは、風俗店にも、知らない飲み屋でちょっとぼったくりにあったこともあります。女性には申し訳ないけれど、男の街だと思います。ここに行けば、なんだか、独りじゃないって安心したりもします。官庁街と日本一の繁華街に挟まれ、まさしく魔界の雰囲気を感じます。この著書は、見事なドキュメンタリーだと思います。シリーズの中では一番好きです。2018/03/20
おさむ
41
駅前のニュー新橋ビルに代表される、昭和な感じが新橋の街のイメージです。還暦を迎えた著者が若き日の思い出と共に、この混沌とした街を歩く。読みやすい文章はさすが週刊誌記者。ナポリタンの歴史や本社があった徳間書店の伝説、アサヒ芸能、週刊実話、週刊大衆の編集部があった街‥。取材相手もジブリの鈴木敏夫代表や最後のフィクサー、朝堂院大覚、靴磨きおばちゃんなどなどバラエティーに富んでいて、幅を感じさせます。街歩きといえばNHKのブラタモリですが、この本をはじめとするアンダーグラウンドシリーズは「裏タモリ」ですね笑2017/12/31
rosetta
36
一冊丸ごと実話系週刊誌の特集って感じの本。若い頃銀座7丁目で働いていて最寄りが新橋駅だった。なんだかとても良い。2017年の本だけどその時点で過去を振り返る。還暦の作者が若い頃お世話になった編集者の行方を探すのが全体を貫くテーマだがその間に、ガード下の様々な高齢者ばかりが働くスナック、ニュー新橋ビル、ナポリタンの名店、最後のフィクサー、靴磨きのばあちゃん、新橋一の名物アルバイターなどなど訪ね歩く。いつまでも戦後の闇市の雰囲気を残し、サラリーマンの味方のリーズナブルな店が多く、ゴールデン街のような街だ2024/01/13