内容説明
1993年、カンボジアの首都プノンペン。内戦とその後の政情不安により国土も人心も荒廃し、水道事業においても施設は老朽化し、漏水、盗水、組織的不正が常態化していた。それからわずか15年、上水道は見事に整備され、100万都市に発展したプノンペン市民は、安全・安価な水の安定供給を等しく享受している。世界の水道関係者に『プノンペンの奇跡』と言わしめた改革はどのように進んでいったのか。エク・ソンチャン総裁を始めとする水道公社職員と、JICA専門家らによる熱き闘いと交流の日々の記録。
目次
第1章 不正・腐敗の温床と化した市水道局―プノンペン市の水道事情(ポル・ポト政権により壊滅的打撃を受ける;累積赤字と経営不振にあえいだ80年代 ほか)
第2章 エク・ソンチャンのPPWSA改革―JICAのマスタープランを指針に(JICAの「マスタープラン」が道しるべに;全顧客リストを1年で作成 ほか)
第3章 JICA専門家による技術移転―北九州市の人材派遣とその成果(PPWSAの公社化が実現;若手技術職員を要職に登用 ほか)
第4章 技術協力プロジェクトによる総仕上げ―PPWSAの人材育成と組織づくり(2つの機関から人材育成への協力要請が;「技術協力プロジェクト(技プロ)」の開始 ほか)
著者等紹介
鈴木康次郎[スズキヤスジロウ]
JICA中部国際センター所長。1958年生まれ。青年海外協力隊員(理数科教師)としてリベリアに赴任後、1984年旧国際協力事業団(現JICA)入団。1982年に室蘭工業大学でエネルギー工学修士号、1991年に米国ピッツバーグ大学で国際開発行政学修士号取得。主に鉱工業分野の援助実務に従事し、スリランカ事務所次長、国際協力総合研修所人材養成グループ長、国際協力人材部次長、カンボジア事務所長等を経て、2013年より現職
桑島京子[クワジマキョウコ]
JICA客員専門員。1980年旧国際協力事業団(現JICA)入団。1992年に米国ハーバード大学で学術修士号取得(東アジア地域研究)。アジア、アフリカの社会開発、地域経済開発、ガバナンス等分野の援助実務および調査研究に従事。中国事務所、国際協力総合研修所調査研究グループ長、社会開発部ガバナンスグループ長、シンガポール国立大学リークワンユー公共政策大学院シニアフェロー、産業開発・公共政策部長等を経て、2012年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Sanchai