内容説明
開発途上国の貧しい山村に暮らす人々は、目の前に広がる森を切り売りして生きている。そのため、森林破壊は進み、人々は貧しさから抜け出せない。貧困は環境破壊の原因であり結果である。このような“負の連鎖”を断ち切るには、『森を守ることで人々の生活が良くなる仕組み』をつくるほかない。その解決の糸口は、貧困農民自身が持つ潜在能力と、彼らが代々受け継いできた野生のコーヒー林の中にあった。エチオピア最後の原生林ベレテ・ゲラの森と住民の生活をともに守るために、国や組織を超えて奔走した人々の活動の記録。
目次
プロローグ 森を守っても生活は良くならない
第1章 最後に残された森を救え!(失われゆくエチオピアの森;プロジェクトの始まり)
第2章 最初の危機を乗り越えて(プロジェクトが打ち切られる?;新たな戦略;ワブブをはじめる)
第3章 自律して活動する農民を育てる(ファーマーフィールドスクールをもに行く;ファーマーイールドスクールをはじめる;ファーマーフィールドスクールで何が変わった?)
第4章 プロジェクトの命運を握るコーヒーの原生林(認証コーヒーで森を守る;暗礁に乗り上げるコーヒープログラム)
第5章 積み残されていた課題(森林行動計画をつくる;「自立」へのハードル;遅れて育ったことを重視する)
第6章 オロミアの森の赤いダイヤモンド(ベレテ・ゲラをブランド化する;そして、すべての集落でワブブ設立完了!)
エピローグ 森は守られるのか?(フォレストコーヒーは森を守れるのか?;ベレテ・ゲラ再訪 ほか)
著者等紹介
松見靖子[マツミヤスコ]
上智大学外国語学部卒業。民間企業に就職後、英国ランカスター大学大学院で環境政策を学ぶ。エリトリア農業省でのボランティアなどを経て、国連食糧農業機関(FAO)に勤務。国際協力機構(JICA)のタイ、エジプト事務所企画調査員。エチオピア半乾燥地ファームフォレストリー普及専門家などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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