サンガ文庫
仏教の言説戦略

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 327,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784905425618
  • NDC分類 180
  • Cコード C0115

内容説明

ヴィトゲンシュタインの“言語ゲーム”をモデルに、仏教をひとつの運動として記述する「仏教の言説戦略」。大乗教を“基本仏教を部分ゲーム(=小乗)とする、悟りのゲーム”としてとらえる「大乗教試論」。―仏教の分析に“言語ゲーム”論を適用するこの独創的な2つの論文を中心に、日本の社会学を牽引してきた著者が、1980年代前半に執筆した論文10編を収録。30年の時を経てもなお輝き続ける、著者の先駆的な研究に触れることは、多角的な宗教理解のための新しい基盤となるだろう。

目次

1 “言語ゲーム”論のあとさき(ゲームと社会;法の記号論へ;喩としての貨幣;フーコーの微分幾何学―権力分析の文体論)
2 宗教の言説戦略(仏教の言説戦略―言語ゲーム・ルール・テキスト;大乗教試論―基本ゲーム・部分ゲーム・拡大ゲーム;イスラム教の言説戦略)
3 来るべき機械主義(にっぽん:記号の王国論;法とことばとその源泉;来るべき機械主義)

著者等紹介

橋爪大三郎[ハシズメダイサブロウ]
1948年、神奈川県生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。1995年~2013年、東京工業大学教授。著書に『ふしぎなキリスト教』(共著、講談社現代新書、2012年新書大賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

32
「誤解をおそれずに言えば、〈日本〉は、ことばから最も遠いのである。〈日本〉は、西欧のごときことばの制度というものをしらない。」仏教の本から思ったら著者の初期論文集でした。大きく3部に分かれています。タイトルに近いのは第2部の5章と6章ですが、7章でイスラムの言説戦略を論じています。ではなぜ仏教が論じられているかというと、「私の理解では、宗教こそ、言語ゲームとして記述するにふさわしいもの」だからです。言語ゲームとは言うまでも無く後期ウィトゲンシュタインの言語観です。前期の写像理論が西欧の「ことばの制度」だと2020/12/21

またの名

8
「例えは悪いが、仏塔というのは、新左翼セクトにとっての大学自治会のようものではないだろうか。彼らは仏塔供養の祭礼(?学園祭)をプロデュースすることによって、教団の資金活動を捻出する…教団の間に、仏塔運営の主導権を巡る争奪戦が繰り広げられる」との例えが本当に悪い(でも的確)。自分が悟ったという宣言が真実か不確定な仏教と自分の私的心情を明示できない言語ゲームとを重ねる表題作のみならず、フーコーや法に貨幣、イスラム、日本に関する諸論を収録。宗教史を言語ゲームとして語れるなら人間社会の離散統合や抗争も語れるはず。2019/09/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7475827
  • ご注意事項

最近チェックした商品