内容説明
仏教者を自任する評論家による僧侶5人との連続対論。若手論客から知性派、文献学研究者まで、各宗派精鋭の僧侶たちとの激烈なるバトル。
目次
問答1 白川密成 『太陽を曳く馬』をめぐって
問答2 釈徹宗 浄土真宗は仏教か、超仏教か?
問答3 勝本華蓮 問いかけの本源―上座仏教・大乗仏教・日本仏教、尼僧の視点から
問答4 南直哉 不死の門をいかに開くか
問答5 林田康順 仏教にとって救済とは何か―「誰が」「いかに」救われるのか、そして「何が」救うのか。
著者等紹介
宮崎哲弥[ミヤザキテツヤ]
1962年、福岡県生まれ。評論家。慶應義塾大学文学部社会学科卒業。政治哲学、仏教論、サブカルチャー分析を主軸とした評論活動を行う。TBS系『ひるおび!』、日本テレビ系『スッキリ!!』、読売テレビ系『たかじんのそこまで言って委員会』などに出演中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nizimasu
11
宮崎さんがこんなに思想的なベースが仏教にあるというのは驚くほかない。この本を読むとそれぞれの宗派の人たちのキャラクターというのは、属する宗派によってかなりの部分規定されているのではないかと思うほど、アイデンティティと結びついているのは、ものすごく驚きでもある。そうした中で、いきなり白川密成さんと身体技法としての宗教が、仏教であるという指摘には、今更ながらうなづけるし、そうした中で、浄土真宗の身体儀式の欠如した教義というのも面白い議論だった。死についての議論もまたしかりで本書の通底した問題意識で実に興味深い2015/01/13
カツドン支持者
5
南直哉さんが好きなので彼との対談は特に興味深く読んだ。 ブッダは正覚後、安らかな心持で日々を過ごしたのではなく、ずっと生きづらさ苦しさを抱えたまま80年生き切ったと南さんは言い宮崎さんも同意する。自分の言葉を理解する人はいないと思いながらも敢えて生きる。分かって貰えない事に苦しみを感じると知りながらも生きると決断した。その根拠なき決断があったからそこ少数ながらもブッダの言葉を理解する人々が現れ、その言葉が時代を超え現代まで伝わっている。その教えによって救われる人がいる。根拠なき決断が善を生むのだ。2017/12/24
マープル
4
面白かった。宮崎哲弥が切実な死の恐怖を持っていることを知り、ちょっと意外に感じると同時に、私淑するfinalvent氏や中島義道、永井均らと同じく、知的にすごい人っていうのはみんなそうなのか、と。かくいう自分はいまだ死の恐怖を実感したことがない・・・ダメか、やっぱり。2013/11/02
喪中の寺ちゃん
4
難しい。途中で関心が途絶えてしまった(〃д〃)。2012/05/18
JunTHR
4
哲ちゃんガチすぎて、かなり置いてきぼりだった。オウムと死刑について触れたり、所々は面白く読めたけど基本的には付いていけない。。。仏教難しすぎるわ。教義複雑だし、宗派多いし、一括りに“仏教”と言うことがあまりら意味ないんじゃないかと思えるほど。対談ではなく問答と銘打ってるだけあって、真剣に、時には相手を否定・反論しながら進んでいくのも気持ちいい。もう少し勉強しよ。2012/03/28