内容説明
古今東西の文明論、精神史に通暁する著者畢生の論考集。「國家理性」の破壊が進む現下の国際社会―。現代人が学ぶべき歴史の教訓、日本の傅統とは。
目次
1 國家基本問題としての「國家理性」論―その沿革と現代的効用について
2 被占領下の帝王學教育―『帝室論』の投ずる光と翳
3 軍事政権としての明治維新政府―『日本外史』の教養が生きてゐた時代
4 更めて考へてみる我が國體―祭政一致の歴史七千年
5 日本文明と西歐型文明・對比と綜合―指標としての「自由」理念を軸に
6 再檢證「ノモス主権論」―尾高朝雄『國民主權と天皇制』の復刊を機に
著者等紹介
小堀桂一郎[コボリケイイチロウ]
東京大学名誉教授。文学博士。昭和8年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、旧西ドイツ・フランクフルト大学留学。東京大学大学院博士課程を修了し、平成6年まで東京大学教授。平成16年まで明星大学教授。現在、日本会議副会長。乃木神社中央乃木會会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ohe Hiroyuki
2
本書に通底しているのは、実は「自由論」である。▼比較文学の研究者である著者は、ギリシャから、現代までの文献を飛ぶように読み進めながら、国家理性の淵源やその発現について叙述していく▼明治政府は、軍事政権であったことや、なぜ終戦が可能だったのかといったことに触れながら、最後は尾高朝雄の「ノモス主権」論を述べながら「天」を論じる。▼これだけ書くと、奇抜な本に思えるが、後半は、講演録であることもあって読みやすい。ここで尾高朝雄を見るとは思わなかったので、驚いたが、読み通すと主張は一周しているように思う。2023/03/18
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